あらすじ
「大石は遊廓を総揚げしていない」「討ち入りのとき、赤穂浪士たちは太鼓を持っていなかった」「吉良は浅野の美しい奥方に横恋慕してはいなかった」――。
時代劇や小説に埋もれた真実を、テレビでおなじみの山本先生が、根拠となる史料を丁寧に引きながら、ライブ講義形式で解説。事件の発端から切腹までの流れを、その背景や当時の常識、史料に残された証言、浪士たちが遺した手紙、間取り図や地図なども多数紹介しながらひもといていく。史料によって伝えることが大きく違う赤穂事件。その最も真実に近い姿を浮き彫りにする待望の一冊。 あなたの「忠臣蔵」観が大きく変わる決定版! 索引付き。
[紹介している図版例]
・江戸城、「松之大廊下」あたりの間取り図
・浅野内匠頭が切腹した田村邸間取り図
・大石内蔵助が渡した割符金
・赤穂浪士の江戸潜伏先一覧
・吉良邸と美作屋善兵衛の店があったところの当時と現在の地図
・箱根から日本橋石町までのルート
・討ち入り時の吉良邸屋敷図
・討ち入り時の赤穂浪士の配置と武器一覧
・細川邸での切腹絵図を再現
・当時と現在の地図多数紹介
…ほか多数。
[もくじ]
第1章 刃傷松の廊下 ~ドラマはここからはじまった
第2章 赤穂城開城 ~揺れる赤穂藩
第3章 江戸急進派と大石内蔵助 ~討ち入りか、浅野家再興か
第4章 御家再興運動の挫折 ~脱盟していく同志たち
第5章 討ち入り前夜 ~時は至れり
第6章 吉良邸討ち入り ~決戦の時
第7章 赤穂四十六士の切腹 ~その後の赤穂浪士たち
終 章 泉岳寺墓所にて
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
山本博文氏の本が面白くて(過去に読んだ日本史の一級史料・殉教・切腹も)
この人が書いてる本は間違いないだろうと思い読んでみた。
間違いなかった。面白い。
忠臣蔵、ドラマや映画も好きで他の著者が書いている小説等も読んだけど
実際残っている資料等で少しずつ紐解いていく面白さ
まるで講義を受けている様に書いてあるのであぁなるほどな~と何度も感嘆。唸る。
よく色んな忠臣蔵の作品で描写している「忠義」は
実際いろんなことを紐解くと、「名誉」の為だったと。
武士としての名誉・自分が仕える大名家に対する名誉・お家一番の名誉等々
あぁそうだよな、今この世の中では考えられないけれども
たった数百年前はそういう背景が誰しもあったのもまた事実
Posted by ブクログ
インタビュー形式の割にわかりやすく楽しく読めた(会話形式の本か苦手)。文献 一次資料に基づいた解釈であるし、表面的な物語的な忠臣蔵本ではわからない情報もあり、忠臣蔵好きとしては嬉しい読み物
Posted by ブクログ
昔の話は史実を史実通りに読み解くか、そこにおおまかなフィクションを混ぜながら読み解くかで全然違うものになってしまう。
そのような違いを考えながら改めて忠臣蔵という話を読み直すのも一興かもしれない。