あらすじ
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外国の方に和の暮らしに関わるモノの名前を教えたくても、正式名称を知らなかったり、英語でうまく説明できないことがあります。本書は、日本人として知っておきたい和食と伝統行事にまつわる名前を集めました。バイリンガルブックとして、名前の英訳に英語での解説まで掲載しています。さらっと説明できると鼻が高い情報満載です。シリーズ本として、「和服・伝統芸能」篇、「和の建築・しつらい」篇も順次、刊行予定です。
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Posted by ブクログ
会席料理、定番料理、麺類、寿司、ダシの材料、香味料理と香辛料、和菓子といった食べものに関するモノ、磁器、陶器、茶の道具など食器に関するモノ、そして正月から大晦日までの年中行事に関するモノやコトについて、イラストと日本語の説明、英訳、が書かれている。
はっきり言っておれは知らないこと、やってないこと、やったことないこともたっくさんあるので、外国人に説明以前に、おれが日本文化について勉強する、という、こういう本でありがちな感じになってしまった。ということなので、まずおれが勉強したことのメモ。熱海とか旅行に行ったら必ず「金目鯛の煮付け」ってメニューにあったりするけど、金目鯛が鯛じゃないということ。鯛はsea breamで、金目鯛はalfonsinoというらしい。なんか騙された気分。本当の鯛を煮付けにするというのはものすごい豪華なことなんだろうか。とか、逆に金目鯛の刺身をタイの刺身だ〜とか喜んで食べるのも違うのか、とか。あと天ぷらと唐揚げとフライの違いとか、料理しないのであんまりよく分からない。図解してほしい。食器とかに至っては興味がないので読むのも苦労したが、「手付鉢」は「持ち手はあくまで装飾なので、持たない方がよい」(p.104)ってなんじゃそりゃ。そんな人を引っ掛けるような食器があるのか、という感じで驚きだった。同じように、「杯台」は、「中央に、杯に打った露や残った酒などを入れるための『したみ受け』という穴がある。ただし現在は、したみ受けがこの用途で使われることはない」(p.107)というのも、理解できなかった。年中行事についてはここに列挙できないくらい知らないことだらけ。「五節句」とか忠実にやる人ってどれくらいいるんだろう。「人日の節句」が、「ジンジツ」と読むということが英訳を見て分かる、という状態。春の七草(p.129)とか日本語でも言えないので英語どころの騒ぎではないが、英語を見てみると「なずな」はshepherd's purse(羊飼いの財布)って面白い。nipple wort(乳首草)が「ほとけのざ」とか。
ただおれも一瞬ホームステイをしたり、あるいはホームステイするプログラムで引率したりするけど、少なくともこの本はそのレベルを超えて、日本文化とかお作法の専門家がテレビとかで言いそうなこと、って感じがするレベルで、難しかった。あとは重箱の隅をつつくわけじゃないけど、ところどころ英語が不自然に思える。非制限用法のコンマがないことは普通だし(そういう文体と言えばそれまでだけど)、oftentimes(p.65)とか初めて聞いたし、たこ焼きはタコがin the middleにある(p.26)、ってそんな位置的に中心って変じゃないかな、とか。あとuseがヒト以外を主語にして、「使われている」の意味で使う、というのをあんまり見たことなかった。dishes that use these two (p.23)とか、awase-miso which uses barley malt and rice malt (p.92)とか。
色々な意味で勉強になった本だけど、そんなに興味が持てなければ通読するにはやや忍耐が必要で、辞典的に使うと良いのかも。というかタイトルが「図鑑」だからもともと通読するものでもないのか。(25/08/15)