あらすじ
【テンセイ者】が変革をもたらし、凡人の村人が銃で魔物を討伐するセカイ。
“最弱”の兵士・アヤセは、部隊の小隊長として日々を過ごしていた。
吸血鬼の討伐戦で『衛生兵(クレリック)』の少女・レミと出会ったアヤセは、見事吸血鬼討伐を果たす。
《怪物》ヒュドラ出現の報を受け、アヤセは帝国第七特殊連隊――通称『ドラゴンパピー』の編成を命じられ……!?
“勇者”カエデ、“衛生兵”レミ……アヤセはとるにたらない仲間と共に、セカイの平和を目指す。
非英雄による英雄譚。『村人A』が『怪物A』を倒す。これは、そういうファンタジーだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
転生者が持ち込んだテクノロジーや学術大系が浸透しつつある異世界を舞台にした、人間とモンスターとの種族間戦争モノです。転生者は直接は登場しません。舞台装置は鷹見一幸『ガンズ・ハート』、映画ではチャン・イーモウ監督「グレートウォール」に近いです。
主人公をはじめとする主要キャラクターはほぼ全員がコンプレックスの塊です。戦いで尻込みしたり、逡巡したりするたびに自己嫌悪に陥りますがすぐに立ち直る強いメンタルの持ち主で、物語はその繰り返しで仲間を危機から救ったり、モンスターを退けたりする流れの繰り返しでハラハラします。
○テンポが非常に速いため、都市とそこで暮らす住人の存亡を掛けた内容でありながら重くなりすぎておらず、軽く読み進めることができます。天才と呼ばれる先天的な優劣があるのですが、転生者がもたらした改革によって世界が変わった今、そうした格差なく戦うことができるという普遍的なテーマ根本にあり、主人公を応援したくなる場面もありました。
●前にも触れたように、キャラクターは「くじけては立ち直る」を繰り返しますが、このサイクルが単調です。今度こそは本当に心が折れそう、という大きな挫折がないため、最後まで危機意識に共感しづらいです。状況説明をキャラクターの台詞とモノローグで二度する事が多く文章がくどいです。どんでん返しは小・中学生の理科・生物で習うような知識で乗り切るため個人的にはやや盛り上がり切れませんでした。