あらすじ
雨の日、気まぐれに駅のホームに現われて易を立てるという謎の老人。とある事故を予知したことが広まってその存在が知られることになり、彼の助言を求めて、人々が駅を訪れるようになるのだが。易とは何なのか? その結果によって悩める人々は救われるのか? 東京の下町を舞台に、人々の複雑な想いが絡みあい綾をなす、異色の連作人情ミステリ! 易学の第一人者・福田有宵氏による易註解を巻末に付す。
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Posted by ブクログ
易を扱った人情ミステリ?ファンタジーもありけり。
登場人物がみんな魅力的で、シリーズ化したら面白いだろうなあ、と思ったのですが、続編が有るのですね。書架に見つけたら手にしてみようと思います。
表紙のイラストがとても可愛いのと、巻末の易の解説及び硬貨を使った簡易易占がお得な感じでした。
Posted by ブクログ
雨の日、気まぐれに駅のホームに現われて易を立てるという謎の老人。とある事故を予知したことが広まってその存在が知られることになり、彼の助言を求めて、人々が駅を訪れるようになるのだが。易とは何なのか? その結果によって悩める人々は救われるのか? 東京の下町を舞台に、人々の複雑な想いが絡みあい綾をなす、異色の連作人情ミステリ! 易学の第一人者・福田有宵氏による易註解を巻末に付す。解説=千街晶之。
Posted by ブクログ
「わたしがした易の説明が足りなかったのだと思います。易は独自の思考方法があるんです。社会学には社会学の,歴史には歴史の考え方があるように。医者は医者の眼で見るでしょ。易も,易のものの見方があります。三千年,現役で使われてる体系ですからね。実践という意味では,厚みがあります。的はずれかもしれませんが,今までみえなかった可能性がみえてくるかもしれない。だから,もう少し我慢していただけませんか」
章平はうなずいた。さっきの腹立たしさは,すっかり消えていた。
「じゃあつづけてもよろしいですか」
「はい,お願いします」
章平は椅子にふたたび腰をおろした。
(本文p.83)