【感想・ネタバレ】私刑のレビュー

あらすじ

辻堂で発見された女性の惨殺死体の状況は、すでに犯人が死亡したはずの3年前の猟奇連続殺人、通称〈アラストル事件〉を彷彿させるものだった。藤沢南署の若手刑事・佐倉真理子と、幼馴染みのニュースキャスター・水瀬智世は、協力して犯人を追うが……。殺人の連鎖に、過熱する報道合戦とネット世論、翻弄され続ける警察。現代の犯罪の闇を抉る、傑作ミステリー。

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Posted by ブクログ

川中大樹『私刑』光文社文庫。

文庫化されたので再読。

前科者を狙った連続猟奇殺人事件を巡る警察ミステリー。最後の最後まで予断を許さぬ展開。途中で犯人の正体が見えて来るものの、リーダビリティは高い。

辻堂で発見された女性の変死体。下着姿で椅子に拘束された上に全身を切り刻まれるという猟奇的な犯行。被害者の女性には、かつて暴走族に所属し、敵対する少女を刃物により殺害していた過去があった。事件を追うのは、神奈川県警の女性刑事・佐倉真理子と真理子の幼馴染みで報道キャスターの水瀬智世の二人の女性だった。

日本ミステリー大賞受賞の『茉莉花』はヤクザが主人公のハードボイルドであったが、第二作の『ラストボール』は、元高校球児のスポーツライターを主人公にしたスポーツ・ミステリーだった。本作もまた期待通り、最後の最後まで読ませてくれた。そんな物語の舞台設定とストーリーの面白さに、今後の著者の活躍が非常に楽しみになる。

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2017年09月21日

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