あらすじ
アイドルの私生活が盗撮され売られていた。黒幕は元マネージャー。芸能界に「殺された」私の復讐劇。消えたアイドル×売れない小説家の再生譚、完結! スランプ中の小説家・佐倉洋介は、一度は芸能界から消えたアイドル「真咲遥」の手記の代筆を引き受けた。取材が進むうちに、真咲を失墜させた黒幕は元マネージャーの須藤だと知る。だが、手記の中でその罪を明らかにすることは不可能…。佐倉に知ってほしかっただけだと真咲は語るが、「須藤を止めるために芸能界に戻ってきた」と話す彼女に、佐倉は“ある手段”で協力することにした――。一方、映画の撮影見学で真咲のキスシーンを複雑な気持ちで見た佐倉。これは身分違いの恋なのか…!? 巻末には電子限定書き下ろしカラー特典も収録!
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Posted by ブクログ
元アイドルのゴーストライターに指名された作家が、
彼女の復讐のフィナーレを飾るシナリオを書く話。...という紹介だと片面的すぎて顰蹙を買いそうだが、主人公のゴーストライターがただアイドルから聞いたことを書き連ねるのではく、新人賞作家だったという個性を活かして復讐のシナリオを練るところが特に印象深かった。
あと「春菊は苦手だけど鍋は好き」という例えも刺さった。実際に現実で口に出して言ったらキザだと思われそうだけど、例えが俊逸。そういう俊逸な場面がいくつもある作品だと思う。
最後手書きの「君はゴースト」で物語を締めくくるのもオシャレだった。
染谷みのる先生の作品をもっと読んでいきたい、そう思わせる良作だった。