あらすじ
現代イスラームの「過激派」と「穏健派」の争点はどこにあるのか? なぜ、同じスンナ派同士で争うのか? 「穏健派」のムスリムは、なぜ「過激派」を「破門」しないのか? イスラーム神学、古典イスラーム法学、現代イスラーム思想を横断し、問題の背景と核心に迫る。「イスラームのテロ」に警鐘を鳴らすのでも、「平和な宗教」としてイスラームを擁護するのでもなく、対立の思想的争点を浮き彫りにする一冊。
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Posted by ブクログ
教会組織のないイスラム教がどうやって公式見解みたいなのを出しているのか謎だったので、学派の形成の話はへぇ~となったし、一口に過激派っていっても全然一枚岩じゃないんだなって勉強になった。6年も積読すべきじゃなかったわ。
イスラム教では悪いこと(豚肉食べたり犯罪やったり)しても信仰を持ち続けてる限りムスリムなのだ〜という話、キリスト教も割とそういうとこある…というか、日本人は効能を求め術として実践するものとして宗教に接しがち、という指摘は刺さるね
Posted by ブクログ
そもそものイスラームの思想を理解するのに大変良書。
形式的な事が目立ちがちなイスラームだが、
アッラーを心から信じていれば、例えお祈りをしなくても、お酒を飲んでいてもムスリムである、
というイスラームの本質を理解するのに大変役立った。
また、穏健派ムスリム、過激派ムスリム、というものを批判等することなく、彼らの思想を解説してあるのもよかった。
Posted by ブクログ
飯山陽氏の「イスラム2.0」を読んだ後、より体系的に理解したくて読んだ。
穏健派と過激派の成立の歴史的な経緯についての記述は分かりやすかった。
他方で、あくまで神学や法学を中心とした系譜の解説が主で、それらが政治的、社会的な影響をどう受けてきたのか、一般的なムスリムがISの勃興等の現状の動きをどう見ているのか等の説明については物足りなく感じた。