あらすじ
シェイクスピア(一五六四―一六一六)の喜劇精神が最も円熟した一五九○年代の初めに書かれ、古来最も多く脚光を浴びて来た作品の一つ。人肉裁判、筐選び、指輪の挿話等をたて糸とし、恋愛と友情、人情と金銭の価値の対照をよこ糸としているが、全編を巨人の如く一貫するシャイロックの性格像は余りにも有名である。
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Posted by ブクログ
悲劇だと思って読んでたら喜劇でびっくりした。シェイクスピアは喜劇→悲劇と作風を変えているらしい。
極悪金貸しユダヤ人のシャイロックによって、相対的にキリスト教とアントーニオが好印象となっている。アントーニオは友人のために身を差し出すため好印象だが、キリスト教もバッサーニオも作中ではいまいちパッとしない。シャイロックが強烈すぎるのだ。
演劇のおもしろいところは、監督、俳優による解釈がなされて上演されるところである。シャイロックの解釈が秀逸であれば、必ずおもしろい上演になる。
Posted by ブクログ
この年になって初めてシェークスピアを読んでみる。
演劇として見た方が、その面白さがより伝わるのかもしれない。
発表当時には、テンポの良い展開が面白かったのかなぁと思う。
ユダヤ人vsキリスト系の構図が、話しのベースになっていたことは興味深かった。
Posted by ブクログ
ヴェニスの商人・アントーニオ、ユダヤの金貸・シャイロックとのいわゆる「人肉裁判」で有名な喜劇作品。
正直あんまり面白くはなかった。まずSSのような台詞形式であるため、風景や場面などが浮かびづらい。気づいたら退場していた、なんてことがままある。また、(これは現代人だからかも知れないが)シャイロックへの扱いが理不尽に感じた。きつく当たっていた人物(アントーニオ)がその本人に恨まれるのは当然じゃね…?と。従って一番の見せ場となる裁判の結果も、スッと入ってこなかった。
それでも訳者の解説は必見。「実はシェイクスピアは素材、原話は他人任せであること」・「1290〜1650年の間、ロンドンではユダヤ人が殆どおらず、しばしば嘲笑の対象とされていたこと」・「(この作品が描かれた)エリザベス期は金貸の黄金時代であったこと」など。
Posted by ブクログ
シェイクスピアで初めて読んだ作品。
悲劇作品かと思ったが、典型的な勧善懲悪ものであった(ように感じた)。
ユダヤ人差別が露骨に描かれていて、当時のシェイクスピアがどういう思いで書いたのかはわからないが、現代人の自分から見たら一種の風刺作品のようにも思えた。終始悪者扱いだったシャイロックがまた違った結末を迎えていたならば、作品は全く違った様相を呈したのだろう。
Posted by ブクログ
授業のいわゆる課題図書だったため、題名しか知らなかった今作を初めて読んだ
半期、授業を通して、普段自分が読書をする時にはしないレベルで、それぞれの登場人物、台詞、文字に現れている物とその裏といろんなことに関して考えさせられ、学んだと思う
こんなに文学を細かく読み解いたのは初めてだと思う まぁ日本語訳を読んだからこそ可能だったんだろうけど
普段の、英語を日本語に訳して、レポートの為に自分なりに分析するのとは全然違った
内容は当然初めて知ったわけで、こんな話だったのか、と普通に物語は楽しめた
でも同時に、シェイクスピアの表現のせいか、訳し方のせいか、若干取っ付きにくいというか、表現と仲良くなれないなって、通して思ってしまった
特に箱選びのシーンというか、箱の中のメッセージがホントに分からん
勉強不足なんだとは思うけど、何が言いたいのやら・・・
箱選び、人肉裁判、指輪の主軸を通して展開される今作で、個人的にポーシアが一番好き
若いのに知恵もあって、当時ではあり得ない男装もしちゃって、ユーモアもあって、手のひらで旦那を軽く転がしちゃうようなところもある彼女が気に入った
ちょっと態度かわりすぎって思うような感じがしないでもなかったけど、彼女のあの表裏がある感じが、人間らしさをぐっと引き立てていて好き
シャイロックとかランスロットとかも人間臭いのに、主人公であるはずのアントーニオがこう、薄く感じて仕方ないのは、彼らが濃すぎるだけなのかな?
あと、こう、キリスト教感がっつりなのもあってアントーニオは好きになれんだな
まぁだからってユダヤ教のシャイロックが云々とか、同じキリスト教の他の登場人物がどうだとかはあんまりないけど、アントーニオのは強すぎて、困った シャイロックの主張もあれはあれで好きになれんだけど