【感想・ネタバレ】博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話のレビュー

あらすじ

41万語以上の収録語数を誇る世界最大・最高の辞書『オックスフォード英語大辞典』(OED)。この壮大な編纂事業の中心にいたのは、貧困の中、独学で言語学界の第一人者となったマレー博士。そして彼には、日々手紙で用例を送ってくる謎の協力者がいた。ある日彼を訪ねたマレーはそのあまりにも意外な正体を知る――言葉の奔流に挑み続けた二人の天才の数奇な人生とは? 全米で大反響を呼んだ、ノンフィクションの真髄。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

英国版「舟を編む」。でもぜんぜんほんわかしてない。ノッてくるまで時間かかったけど、OEDの構想が出てくる辺りからめちゃめちゃ面白かった!さすが英国、という気の長さとエキセントリックさ。

シェークスピアの時代には辞書がなく、その用法があっているのか綴りはあっているのかなどを確かめる方法はなかった、というのは目から鱗。言葉が変化していったり誤用といわれたものがそうでなくなったりしていくのは、当たり前のことなんだな。
OEDの、言葉は変わっていくものなのだから、辞書は言葉の間違いを正すものではなくあくまで言葉の歴史を記すものであるという姿勢はいいな。

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2019年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

OEDが出来上がるまでの秘話。特に統合失調症で殺人を犯し、精神病院に収容されていたマイナー博士の人生にはいろいろ考えさせられた。
もし彼が人を殺さなければ、もし病院で過ごさなければ、OEDにここまで深くかかわることはなかっただろう。
発病しなければ優秀な医者として働き、OEDにかかわる暇はなく、無名のまま(しかし幸せに)死んでいったかもしれない。
こういう運命の皮肉はたくさんあるのだ。多分私たちの人生においても。
辞書というものがそもそも「ない」状態からどうやって作るか、辞書と植民地支配の関係、南北戦争の実態など初めて知ることも多かった。
ドラマチックな内容だが、決して筆を走らせず、資料から分かることを膨らませ過ぎない著者の書き方にも好感をもった。

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2013年01月24日

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