【感想・ネタバレ】しいちゃん、あのね 2のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年05月04日

ほんと、大人向けだな
衝撃的だった(1)を読み直してから、この(2)を読んだんだけど、結構、膝と腰に来た
いや、お前だけだよ、と言われるかもしれないが、この『しいちゃん、あのね』、何気にストーリーが深いように思う
確かに、キャラは濃く、絵も上手いって訳じゃないし、下ネタが多い
けど、決して、下品な描...続きを読む写はしてないし、ストーリーの起承転結もしっかりしていて、読み手に色々と考えさせるだけの中身が詰まっている
仮に、今、育児をメインテーマに据えた漫画のベスト3を決定するためのメンバーに選ばれたなら、私は十五夜先生の『息子が可愛くて仕方がない魔族の母親』、本間実先生の『元女神のブログ』、そして、この作品を推したい
他の二作品と違い、ファンタジー要素こそないけど、一つくらいは現実が舞台の物を選ばないと、バランスが悪いだろう
月刊ユーで人気の、あいざわ遥先生の『まんまるポタジェ』も、もちろん良いが、これは育児っつーよりは、いかに環境に慣れ、そこの良さを知り、自分を成長させるか、に重きを置いているような気がしたので
実際、しいちゃんの暴れん坊っぷりを見て、「今、自分の子供はこんな感じ」と頷く、戦い真っ盛りのお母さん、「あぁ、こんな感じだったな」と懐かしく思う現場から退いたお袋さん、そして、「そうか、こういう場合は、こういう対応もアリなんだ」と学んでいる、楽しみと不安が50:50な新米ママもいるだろう
このように、読み手に様々な印象を与える事が出来ているのなら、間違いなく、良い漫画だろう
子供は無邪気のようで、意外に強か、けれど、ピュア。行動はまるで予想も予測も出来ない、そこに苛立つ事もあるけど、やっぱり、可愛い
日々、変化していき、形が定まらない子供の元気な言動に、上手く対応せねばならない事は、大変ではあるけど、それも育児の醍醐味なのだろう
子供と向き合わなければ、親は成長する事は出来ないに違いない
子供の目に映る、自分の汚さに背筋が寒くなる事もあるかもしれないが、親から目を逸らされた子供は、心に大きな傷を負う
何でも、自分たちだけで背負う必要はまるでないけれど、この子がいなければ、自分の人生は幸せだったのに、って憎しみは子供にぶつけちゃいけない
叱るのと、八つ当たりは別物だ。憎しみで子供を傷つけてしまった事に、罪悪感を覚えられる内に自省し、どうやったら、子供に手をあげずに済むか、一人で抱え込んだりせず、誰かにSOSを求めるべきだ。子供の血で汚れた手は、どんなに洗っても、元には戻せないのだから
この(2)で登場した小俣先生は中々に、性活が拗れているようだ。色々と闇が深そうだけど、できりゃ、幸せになって欲しいもんだ
次巻で出番が増えていたら嬉しいのは、着ぐるみアクターのお姉さんだな。彼女の恋愛事情に踏み込み、そこにしいちゃんの純粋さを絡ませてほしい
感動って意味合いでグッと来たのは、ベタかもしれないが、37回目「素直な思い」だ。友達に怪我をさせちゃう、それは日常茶飯事だから、目くじらを立てる事ではない、と私は思う。ただ、男の子ならば、例え、どんな理由があったにしても、女の子に乱暴はしちゃいけない。傷つけてしまったのなら、自分の正当性を主張したい悔しさは一回、脇に置いて、まず、謝るべきだ。その強さがあれば、本当に信念を譲れない時にこそ、それが活きるのだから
この台詞を引用に選んだのは、深い、と感じたので。偽善かもしれない、けれども、一人の人に出来る事はたかが知れている。だから、綺麗事かも知れなくても、自分の手が届く場所にいる人を無条件に愛するしかない。それを全ての人が出来たのなら、戦争も貧困もなくなるのでは、三十路になっても、そんな夢物語を綴っちゃう自分が甘く、温く、浅ましいってのは、とっくに自覚している。けど、それも私だ

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