【感想・ネタバレ】覚悟 - さらば民進党、真の保守を目指すために -のレビュー

あらすじ

2017年4月10日、民進党に離党届を提出して以来、政界のキーパーソンとして耳目を集めている長島昭久議員。
党内でも保守派と知られた長島議員が離党の本当の理由、蓮舫代表下の党内情勢、政治家として譲れない共産党との共闘、都知事選でのある出来事など、そのすべてを明かす。
さらには然るべき国防体制から待ったなしの憲法改正まで、“真の保守政治家”として歩むべき今後の道も激白!
「私は、“真の保守”というのは、国際社会でも通用するような歴史観や人権感覚を持ち得ねばならないと考えております。不寛容なリベラルも、粗雑な保守も、一度立ち止まって国内外の現実を直視し、それぞれの議論を整理し直すべきではないかと思うのです。左右の主張を包摂しつつ、対立点について粘り強く説得に努め、この国に『秩序ある進歩』をもたらすことに力を注ぐべきではないかと考えます。それは、“中庸”の思想に通じるものがあります。中庸を保つためには、強い意志と高い理想がなければなりません。私は、ここに、特定の党派から独立した一人の保守政治家として、我が国を取り巻く内外の諸課題と真摯に向き合い、あるべき政治のかたちを創り上げるために、私の問題意識を共有してくださる同志の皆さんと共に、中庸を旨とした“真の保守政治”の確立という大義の実現を目指して行動を起こすものであります」(著者より)

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Posted by ブクログ

(2017/9/5)
民主党、民進党の重鎮にして、アメリカ通、防衛通、
都知事選、代表選への出馬を取りざたされながら果たせず、
ついに民進党と袂を分かつことになった長島議員の
渾身の著作。

彼の政治信条がわかりやすく丁寧に書かれている。

高校時代の同級生で、体育の授業の前は毎度相撲を取っていた長島の
政治的な考えはメルマガ等である程度知っているつもりで、
応援メールを送り返事をもらったこともあるのだが、
この本を読んで根っこの部分を初めて知った。

ニュースでも有名になったが、
離党の最大の理由は「共産党との共闘はあり得ないこと」。
しかしそれ以外に、
党の今の反政府、何でも反対の姿勢はおかしく、
国民の関心は内政面にあるのだから、ここでは戦っても、
外交においては急な返還はあり得ず、論点にすべきでないことを
この本でうたっていた。

集団的自衛権については長島は前向き。
憲法解釈で十分、という考えだ。
正直私はいまだに何が集団的自衛権かよくわからないけど、
改憲はすべきだと思う。
今の憲法では、日本人が拉致されるのを現場で見ていても、
誰も立ち向かえない。ワーワー言うだけ。
交戦権は持つべき。
長島も改憲が一番だけど、当面無理だろうから、解釈でいいのでは、
という。
それは国民が納得しないだろう。
しっかり会見すべきだ。
9条維持をとなえる輩は、なにかあったらどうするつもりなのだろう。
アメリカが守ってくれる、なんて信じてるんだろうか。
ばかげている。
あるいは、話せばわかる、と思っているのだろうか。
話してもわからんやつらがイスラム国だったり北朝鮮だったりするのだ。
アメリカから独立して自分で国を守る、
その前提で他国と連携して平和を守る、
もうそういう段階だろう。

意外だったのが政権担当時の3首相に対する評価。
野田さんを一番評価している。
理由は現実路線に立ったから。
親中国、アメリカ切り離し、急激な脱官僚の鳩山政権はあり得ないと。
しかし現実路線こそが民意が離れた理由であると私は思っている。
第2自民党政権だったら自民のほうがましと。
そこは意見が分かれるところだが、長島は野田さんを評価している。
しかしレンホウ党首の際の野田幹事長の共産党容認には長島も切れた、
ということのようだ。

そして面白かったのが彼が立川昭島エリアで立候補することになったきっかけ。
不祥事で辞職した民主党議員の選挙区が、娘に通わせたいと思っていた学校があるエリアだった、
そこで運命を感じた、というのだ。
なんだか後付けのような気もするが、
そういうことが背中を押す、というのも確かにある。
実際お子さんは昭島市の啓明学園に入ったようだ。

民進党内での勉強会、国軸の会。彼らしい言葉。なかなか素敵だ。

そして終章。
子どものために!
これは全く同感だ。
子どもが虐げられる世の中にろくなものはない。
6人に1人が相対的貧困。
いや、子ども食堂が必要な、つまり飯も食えない、というのは絶対的貧困だ。
食料を廃棄する量が圧倒的に多い日本において、その分配ミスはあり得ない。
戦後のそれとはわけが違う。
そこが相対的貧困のもと。
智慧が無いのだ。
そこに長島は働きかけるという。応援したい。

あとがきに今後のこと。
橋下、小池両名に注目と。
橋下にはあったことが無く、小池は20年来の友人と。
橋下長島コンビには好印象を持つが、小池とはどうか。
冷静に見ればこの1年の都政はひっかきまわしてもとのさや、
というところで、あまりいい印象はないが、
国民的人気はまだ続いている。
長島がこの尻馬に乗るのはどうか。
人気にあやかるような長島ではないが、
かといって他に連携できる相手がいないのも事実。
必ずしも前途が明るいとは言えないが、
志を持って頑張ってほしい!

・・・古巣民進党は代表戦も盛り上がらず、
前原氏が当選したが、
幹事長に山尾氏を内定したものの党内の支持派にひっくり返されたらしい。
ニュースに出てた。
若い山尾にポストを渡せんということだろう。
舌鋒鋭い山尾幹事長、久々ヒットの人事と思ったのに、
やはり民進、腐ってる。国民より保身。
長島、脱出してよかったね。


第1章 民進党を離党した理由―集団的自衛権への解釈の相違
第2章 民主党政権の躓き―政権交代の裏側で
第3章 尖閣国有化―国際政治の荒波を超えて
第4章 真夏の東京都知事選―混乱を極めた舞台裏
第5章 悔恨―我々はどこで間違ったのか
第6章 子どもたちの「未来保障」―人材育成で日本の将来を拓こう

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2024年09月04日

Posted by ブクログ

地元立川の政治家ということで、興味を持って読んでみた1冊だったけど、政治の世界に自分がいないからなのか読む前の期待値からすると拍子抜けな感じでした。前書きが長い。「そもそも論」は個人的にはどうでもよく、そこでうまくいかなかったことへの自分の思いは一言でよかったかなと。何を問題ととらえていて、それに対しての今回のアプローチはこうだったがうまくいかなかった。そこは学べたから、次はどうしていく必要がある、活路が見えた、それをやりきるぞという覚悟が書いてあるのかと思ったらそうではなかった印象でした。あと、もっと表やグラフを入れて視覚的に伝えるように見せるのも必要では、と思いました。

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2018年06月03日

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