【感想・ネタバレ】グーグルマップの社会学~ググられる地図の正体~のレビュー

あらすじ

「見たいものしか見ない」地図は、社会を、わたしを、どう変えるのか? ――グーグルマップによって、わたしたちの世界は本当に広がったのか? 社会は、よく見えるようになったのか? 新進気鋭の社会学者による、新しい地図論!

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Posted by ブクログ

2024年でも十分に読み応えがある。
世界を広げてくれるはずのグーグルマップが却って世界を狭めてしまうのではないかという指摘は、目から鱗。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グーグルマップが普及することで単純に地図に触れる機会が増えたのはいいことだ(基礎ゼミ江口先生も同感らしい)と思っていたが、それによって地図との向き合い方が大きく変わったのには驚いた。

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2019年06月18日

Posted by ブクログ

なにかをモチーフに社会を見通す、という本が大好きだ。
古典「砂糖の世界史」や、最近では「給食の歴史」など名著が多いが、本書もかなりのクオリティである。
Googleマップによって、我々の世界観は世界地図から、自分に必要な部分へと断片化していく。それはサイバーカスケード、もしくはフィルターバブルと呼ばれる現象の具現化といえる。そこに偶然性という補助線を引くことに希望を見出す。東浩紀「ゲンロン0 観光客の哲学」などで見られる理論であるが、この本ではGoogleマップという我々にとって身近かつ具体的な事象を軸に進めていくため、分かりやすい。
社会を見通す目を創造するという社会学の真髄を体験するにもおススメ。

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2019年02月03日

Posted by ブクログ

Googleマップを論述した本。Googleマップも普段使っているが、普段使っていることが論述するとこうなるのだなぁと思った。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

序盤の地図が時代によって、どのような位置付けでありそれがどのように変遷して至ったのかの紹介が面白かった。かつては国家の領域や統治のために使用され、境界線によって国民のアイデンティを創造する道具にもなっていた。
また、これまでの平面との違いについても指摘する。紙の地図は全体を表示させその中で自分がどこにいるのか特定する一方、Google MapはGPSを用いて自分を中心に周りを見渡すような仕組みになっている。また、ズームイン・ズームアウトしてユーザーが自由に地図の見え方を変更できることで、全体と生活世界両方を移す出すことに成功しているという。
今後もパーソナルデータを活用してより便利になっていくことが予想されるが、このツールがどのようなサービスになっていくのか。
余談だが、全体の検索エンジンとしてはこれまでGoogle、動画はYoutube、画像はGoogle Imageなどメディア媒体ごとに検索エンジンとサービスを提供してきたことで、より相互のサービス間で共有できるデータが増え、ユーザーが恩恵を受けれるようになってきた。次のGoogle Xは何のか楽しみにしていたい。

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2024年07月14日

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タイトルに惹かれたが、古いのはともかく期待した内容と違った。さすがに登山で五万図は携行しなくなったが、旅行の際は、るるぶは眺める。地図からマップ。グーグルマップ便利この上なく、「いま、ここ」と「世界」の間を自由に行き来できる神の目は楽しいが、地図を読み、全体を見渡し想像するには紙も捨てがたいと思うのは、化石?

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

僕自身、昭文社のポケットマップをスマホのアプリに持ち替えたことによって、「思わぬものを発見する」というセレンディピティが減少したことを実感していたところ。
著者は、グーグルマップには個々人の即時的・自己完結的な欲求を充足しようとするアーキテクチャはあるが、他者との有機的な繋がりを介した全体的な「物語」を紡ごうとする意思がみられないという。しかしその一方で、スマホやGPSの普及により断片化した現実の地域社会には、地域同士を動的かつシームレスに連結するグーグルマップの在り方がより親和的であるとする。
たぶん重要なのは、グーグルマップを狭窄した視野しか持たない自閉的な世界の連続体であるとペシミスティックに捉えるか、または大量消費社会により元より物語性を失いつつある世界を自在にザッピングできる有用なツールであると捉えるかは、それを使う人の意識に大きく依存するということだ。グーグルマップによるセレンディピティ減少を意識できず主体性を喪失するに任せるか、それを他の方法で補いつつ「移動する身体」をグーグルマップで武装するか。それにより今後の「地図」と我々の有り様も大きく変容することになるのだろう。

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2016年09月11日

Posted by ブクログ

地図の社会学。地図が歴史的にどのように位置づけられていたかからはじまる。俯瞰として眺めていた地図が、グーグルマップによって自分中心の視点に換わったと説く。国土地理院の5000分の1の「地図」から、雑誌の特集にあるようなターゲットにフォーカスした「マップ」になり、カーナビが登場し、個人の視点が自分の視座になるグーグルマップに発展したと。昨今のポケモンGOはまさにリアルと地図とゲームを一体化した内容で、この本の先を行っているのかも、と思う。

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2016年07月25日

Posted by ブクログ

<目次>
はじめに
第1章  地図の社会学
第2章  グーグルマップ前史
第3章  グーグルマップの現在
第4章  グーグルマップが閉ざす/開く世界
第5章  グーグルマップの未来

<内容>
地図の社会学。特にグーグルマップを中心としたネットマップがもたらしたもの、失くしたものが描かれる。特に気になったのは、グーグルマップで地図から自分の行きたいところだけが切り取られる(ズーム化される)結果、周りを見渡すことがなくなる、ということ。観光地などに行くと、ピンポイントで混んでいて、そこからちょっとずれると空いている。あるいはテレビやネットで紹介された後だけ混む、ことが気になっていたが、この本によると、ネットマップでは、GPSと連動すると、現在地から目的地までが、行き方すら明示される。結果、周りを何も見ないし、目的を達するだけで満足する、と書かれている。自分の見てきたこと、感じたことが納得できた。

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2016年07月07日

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