あらすじ
「お好み焼き発祥の地は大阪でも広島でもない」「鶏を使わない焼き鳥?」「九州でうどんにかけるのは胡椒?」など、食に隠された意外でおもしろい歴史をひもときながら、世界に類を見ない複雑で多様性に富んだ日本の食文化を紹介。
「マグロを最も買っている市は?」「ソースを最も好んで使う市は?」など、最新の家計調査から見る、リアルな今の日本の食事情もレポート。あなたの常識をくつがえす、ニッポン食文化地図!
【もくじ】
はじめに ~食文化は、「ケンミン」単位では語れない!
第一章 「藩」がつくった食文化
第二章 豚に追われた牛、王国守った鶏
第三章 歴史が語る食の「産業遺産」
第四章 「関西=うどん 関東=蕎麦」と思っていないか?
第五章 海の幸が教えてくれる食物地図
第六章 家計調査からみるケンミン食
第七章 地域によって変わる呼称
第八章 食の多様性の代表格「雑煮」を検証する
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Posted by ブクログ
■江戸の中期までは,西と東でうどんと蕎麦の消費傾向に大差はなく,どちらでも同じような方法で食べられていたらしい。
■醤油の発達とだしの素となる材料の流通が,西のうどん文化と東の蕎麦文化を生んだ決定打になった。うどんと蕎麦の好みがあらかじめあったわけではない。
Posted by ブクログ
食における地域性は藩によるもの、物流や人的交流の範囲によるもの、地形によるもの、産業によるものがあるのは知っていたけども国替えにより飛び地が形成されるというのは盲点だったので驚き
家計支出額といった統計資料からの考察や、実地調査に基づくものなど、古今東西の研究があって面白い
Posted by ブクログ
こないだの『藩民性』が
食文化にも影響してるのね〜。
言葉と一緒で
都で流行ったものが同心円的に広まり
端と端で消えずに残っていたり。
藩替えになったお殿様が
故郷の味だけは持って行きたかったのも
わかる気がするなぁ。
確かに旅先でいろいろ食べていると
結局は「県民性」というより
自分の舌が好むかどうかだと
思えてきたわ。
関西人だから関西の食べものが
全部好きかって言われると
そうでもないし、逆も真なり。
津々浦々でおいしいものが食べられる
日本列島は、なが〜くて嬉しいよ。
Posted by ブクログ
深く掘り下げたら
この部分だけで 一冊になるよね
という話題も多くて
さら~~っと上澄みを知る
ということになってしまいますが
大阪人の私は
「お好み焼きの発祥の地は大阪じゃない」
に 非常に納得です
Posted by ブクログ
この人の本はこのまとまりのなさを楽しめるかどうか、こちらの精神状態で評価が変わってしまう。今回はプラスに効いている。雑煮論争は永遠の課題なのね。旧藩の3世紀はやはり長いのだなあ。旧藩時代の遺産が戦後里帰りした高遠のそばの大根おろしはへえが一山。おそらく、30年後には平成の特産品つくりの影響というのがこの項に入るのでは。
Posted by ブクログ
日本の食文化について、著者が日本中を巡った経験をもとに考察する。
日本の食文化は多種多様で、テレビ番組でやっているような単純な県民性だけで区分できるようなものではない。それぞれの料理の歴史を追っていくと、食文化の成立の経緯がわかる。テーマは、食に纏わる要素~藩、肉の食習慣、地域性、産業、麺、海産物、家計調査、雑煮の検証など。食文化を長年取材した著者の独自の視点で、文献や体験を基に考察されていて大変面白かった。 蘊蓄も多くて楽しい読み物になっている。 特に著者の出身地である九州北部の料理についての記述も多く、自分の居住地に近いこともあって親近感がもてた。 お店で出された料理がどのようなものなのか、由来を考えながら食べる。そういう楽しみ方のヒントになる本だ。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに~食文化は、「ケンミン」単位では語れない!
第1章 「藩」がつくった食文化
第2章 豚に追われた牛、王国守った鶏
第3章 歴史が語る食の「産業遺産」
第4章 「関西=うどん 関東=蕎麦」と思っていないか?
第5章 海の幸が教えてくれる食物地図
第6章 家計調査から見るケンミン食
第7章 地域によって変わる呼称
第8章 食の多様性の代表格「雑煮」を検証する
<内容>
食について、日経の新聞記者が分析したもの。この著者の本は以前も『納豆に砂糖を入れますか?』を読んだが、あまり変わりはない。タイトルに「県民性」では語れない、と言っておきながら、家計調査や雑煮の分析は県単位の話が多いし…。読む側はその方がわかりやすいのだが、どうなのかな?まあ、文献にあたっているし(小説なんかも駆使するのには驚いたが)、それなりに妥当性はあるし、こういう蘊蓄を飯食いながら語ると面白いんだよね。お好み焼きの話とか…