【感想・ネタバレ】なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。のレビュー

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Posted by ブクログ

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ーー時代から何を求められているか?
の嗅覚が鋭い家入さん(そのやり方がいつも正しいかどうかは置いといて)は、今の時代は「マジョリティとマイノリティの総数が同じになりつつある」と指摘する。マイノリティとは社会的弱者層。日本の中間層の貧困化は耳タコだが、彼が着目しているのはその「資本主義経済の構造がそろそろ変わる、変えなくてはいけない」ということ。

ヒエラルキーの上位が仕事を下位に提供し、利益を吸い上げる構造(ピケティでお馴染みですね、トリクルダウンは起きてません)が、格差を広げる一方で、継続困難な程にいびつになってしまった。CAMPFIREの会長でライフネット生命の社長でもある谷家さんによると、その状況は「西洋の現代的資本主義はピンポイント過ぎて微分的」と評する。大衆も感じられる幸せ度を底上げするには、おカネとそれ以外から得られる幸せ要素を「積分的な解決策」で抗じたいという。

その答えが「フィンテック×居場所づくり=CAMPFIRE」という訳だ。
それが「なめらかなお金が、小さな経済圏という形でめぐる社会」。

本書で特に述べられていないが、ブロックチェーンの方向性(存在意義と言っても良い)とも合致する。社会はヒエラルキーの頂点(あるいはプラットフォーマーの中心)に吸い上げられる力と、ピァトゥピァで個々に引き戻す力が均衡し分離する世界が隆起してくると思う。

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2020年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家入一真さんが2017年の夏にどのようなことを考えどのような取り組みをし、またどのように取り組んでいきたいかを知ることができる1冊。
家入さんは海士町で"お金のその先にあるものを大切にしている人々"に出会い、大きい経済圏からより多様性のある小さい経済圏へと社会が移り変わり始めたことを感じた。
そこにはきっと大きな経済圏で生きづらさを感じている人々の存在があり、そういった人々が言い訳をせずに自分の理想実現に向けて努力できる・しても良い世の中をインターネットの力で作っていく必要がある。そこから社会との繋がりを得たり、自己実現したりしながら、世の中の幸せ度数があっていけば良いと思っている。

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2019年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生きづらさを感じている人は読んでみると良いかもしれません。
生きづらさを感じている人に、新しい選択肢としてクラウドファンディングを広めていきたいという著者の願いが込められています。

<感想>
やっぱり収入源を複数持っておくことは、心の自由度を増やす意味でも大切なことですね。
クラウドファンディングは、助け合い・支え合いになると思いますが、一方でコミュニティと言えるかは少し疑問でした。インターネット上の小さな経済圏をどのようにしてコミュニティまで引き上げるのか、そこに興味があります。
また、この本でも、ほかの本でも書かれていましたが、お金は信用へ、社会は小さなコミュニティへという流れは進んでいくんですかね。

<心に残った文章 p141>
そもそも僕がCAMPFIREに絞って活動している理由は、クラウドファンディングは人生の選択肢を増やし、自由な生き方を可能にする手段として強力なプラットフォームであると信じているからだ。
なぜ多くの人は、人生の多くの時間を好きでもない仕事に費やすのか?
 それは、他に生活費を稼ぐ手段がないと思い込んでしまう世の中があるからだ。
 なぜ多くの人は、富や権力に取り憑かれてしまうのか?
 それは、富や権力が自己実現の可能性を広げる唯一の選択肢だと思い込んでしまう状況があるからだ。
 なぜ多くの人は、大きなものに依存してしまうのか?
 それは、自力で生きていくことは限られた強い人にしかできないと思い込んでいるからだ。人が生きづらさを感じる瞬間というのは、既存の社会にお膳立てされた仕組みや価値規範にフィットしないときに多い。
 だから僕は選択肢を増やしたい。

〇要約
<この本の問題意識>
際限なき成長が前提の資本主義、売れることが正義の商業主義の中、生きづらさを抱えている人がいる。
なぜ生きづらいのか。
一つの会社への依存がある。給料が振り込まれる感覚がいつの間にか当たり前になり、抜け出したくても不安がまさり抜け出せない状態になってしまっている。
各自が自由に、自分の幸せを追求できる社会にしていきたい。

<解決方法>
小さな経済圏(個人や地域レベルで小さなつながりをもち、支えあっているコミュニティ)、をインターネット上に作ることで、「挑戦」へのあらゆるハードルを下げ、幸せのための選択肢を増やす。このインターネット上の小さな経済圏がCAMPFIREの運営するクラウドファンディング。
そして収入減を複数持つことで会社への依存度を下げ、自分の幸せを追求できる社会に近づける。

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2019年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆる普通のレール(学校にきちんと通い、卒業したら会社に就職する)を走る時代ではなくなった。その中でどう生きていくか、そのヒントが散りばめられた内容だった。
以下備忘録(気になったフレーズなどの引用)。

■複業を持つとかノマドといった「働き方論」はテクニックにすぎない。大切なのは「どんな生き方がしたいか」=「自分にとっての幸せとはどこにあるのか」

■「東京には負けないぞ」とか、「東京にはないこんな良さがある」とか、物差しとして東京を引き合いに出している段階でじつは東京に負けていることを多くの人は忘れがちだ。

■今の日本の社会は、現状で十分達成されていることであっても過剰に理想像を煽っているような気がしてならない。消費者は物欲を絶えず刺激されて、それにより経済活動が賄われている。

■人は希望を持つから絶望する。
夢を持つから夢に敗れる。
他人との比較ばかりをするから自信を失う。
完璧を目指すから失敗を恐れ、最初の一歩が踏み出せない。
過度に欲しがるから、心の穴が埋まらない。

自分のことを認めてくれる人たちは実はすぐそばにいるはずなのに、その人たちには目もくれず、遠くの不特定多数の誰かに「認めて認めて!」という思いだけがパンパンに膨れ上がって破裂寸前の風船のようになっている人もたくさんいる。

■一方的なボランティアだと善意だけで持続できるのかわからないけど、ビジネスとして確立されているなら他のひとも「自分もやってみよう」と思うかもしれない。

高齢者の銀行口座に滞留している富をもっと若い世代に向けて欲しいとは思うけど、それを寄付のような形に限定してしまうとあまり大きな変化は望めない。それを持続的、かつ大きなスケールの仕組みにするためには、ビジネス的な展開が大事。

■「退路を断つ」という言葉はなんだか美談のように扱われることもあるけど、思考することを放棄した人が最終的にとる手法だと感じる。
その決意が周囲の心を動かすことはあるだろうし、僕も感動したりすることはあるけど、退路を断たずともやれることはいっぱいあって、それを下準備もなしに「明日会社を辞めてこっちに専念します」というのは少し疑問だ。
そういう意味で小さく立ち上げることはとても大事。

CAMPFIREで何かを始めようかなと考えている人も「とりあえずやってみよう」くらいの気持ちで小さな経済圏に足を踏み入れてみてはどうだろうか。

■インターネットを前提とした話ですけど、僕が最近思っているのは、顔写真を出すと強いということ。ブログでもSNSでもとにかく顔写真を出しまくっていると、その人に愛着が出てくるっていうのはあると思う。(中略)
小さな経済圏をどうやって作るかと考えたら、やっぱりその人のキャラで回るものなので、いかに自分を認識してもらえるとか、ファンを作るかという話が切り離せないと思う。その点、顔を出すって楽だし強い方法だなと思う。

■5000万円のプロジェクトが入ってくるのはありがたいけど、それよりも5万円のプロジェクトを1000個作りたい。美大生が、5万円で個展を出したいとか、地方の若者が10万円でフリーペーパーを作りたいとか、従来の金融のあり方のままでは相手にされないような人たちの受け皿になりたい。

■なぜ多くの人は、人生の多くの時間を好きでもない仕事に費やすのか?
→他に生活費を稼ぐ手段がないと思い込んでしまう世の中があるから。

■人が生きづらさを感じる瞬間というのは、既存の社会にお膳立てされた仕組みや価値規範にフィットしないときに多い。
だから僕は選択肢を増やしたい。

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2018年08月17日

Posted by ブクログ

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今後どのように生きるかについて考えるきっかけをくれる本だった。

終戦後の人々の目的、幸せの尺度はいまより豊かになることだった。そのために、必死で働き、それが会社のため、国や個人のためになると信じられていたし、それが幸せになる事だった。今は時代はもので溢れてる。あらゆるものが便利になりすでに豊かな状態。そうすると今の若い世代は、モノが溢れている世の中で、本当の幸せを探す。自己実現欲求を求めるようになっている。目的が達成されること自体に喜びがあり、お金は付属的なものに過ぎない。
若い世代の中には、お金を稼ぐことに意義を見出していない人が多い。そんな人にはいくら給料をあげても定着しない。それよりは、会社が社会にどんな貢献をしているか、どんなところを目指しているのかといった内的欲求を話す方が良い。
今の時代は良い大学に入り、良い職場に就職すれば安泰だ!という考えを持つ必要はない。まずは自分の幸せは何か?どういう暮らしをしたいのか?を問う事が大事。
これからは信用のある人に人が集まり、お金があつまる。

面白い学び
・カルマキッチン(恩送りのレストラン)
来店したお客さんの食事代はその前に来たお客によって支払い済み。
・50円を50円で売る。
そこにはコミュニケーションが生まれるから、50円以上の価値がある。また考え方として、5万円をバイトで稼ぐ方法と500円を100人から集める方法がある。得られるメリットの差。

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2021年01月24日

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