【感想・ネタバレ】日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年07月17日

これも良い本。こちらは分析結果報告本ではなく、各社の事例を基にこういう切り口でもできますよ、という提案の本。なので人事に関係ない人が結論を求めるとちょっと違うかもしれない。実務者向け。

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Posted by ブクログ 2023年06月24日

従業員を「コスト」はなく、「資産(あるいは人的資本)」だとする考え方が広がっている。
2017年初版だが、社内にある人事データを活用して人事企画等を行うべきと提唱しており、今こそ読むべき本だと感じた。
統計学の知見に乏しい評者はデータ分析そのものは理解出来なかったが、「データ分析により何が分かるのか...続きを読む」をつかむことはできたように思う。
人事部門や経営戦略部門に在籍している方にオススメ。

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Posted by ブクログ 2022年12月20日

いやー良かった。分かんなかったけど笑
何というのかな、理解できなくても、
「そうだよな、なるほどな」
の連続でした。
こういう人が会社のブレーンでいてくれて、
会社自体が理解ある組織ならば、
絶対に良くなると思う。確信した。
でも、それが難しい笑

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Posted by ブクログ 2018年12月30日

統計学を用いて人事制度を分析できるよ!そのためにデータを一元的に蓄積しよう!という趣旨の本。
「統計的差別というのは自己成就的です。女性は辞める確率が高いから投資をしないという企業の意思決定が、女性にとって継続就業のメリットを下げ、離職を促している」とか、サンプルセレクション問題とか、統計的手法の盲...続きを読む点にも目配りしようとしている。
その意味では、本書の基礎となるデータが大企業に偏っているという問題点は深刻なのだけど、統計制度の未整備な現状からすると目を瞑るほかないのだろう(議論の混乱を避けるために)。
 
「ノルウェーも…1993年初頭までは、男性の育児休業取得率は3%しかありませんでした。そこで男性にも育児参加させようと、ノルウェー政府は、父親が育休を取得する場合は、1カ月余分に育休期間を追加する制度「パパ・クォータ」を導入しました。その結果、取得率は一気に30%超まで上がり、その後数年で7割近くまで上がってきています。」

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

 人事部の仕事は、施策と結果の関係を説明しにくい領域であるが、本書のように、データに基づき分析することで、施策の是非をぜひ論じられるようになってもらいたいものである。ちなみに、本書はデータ分析の勉強にもなる。

 最後にご提案したいのは、「従業員満足度調査で、男女の回答の違いを検証する」という方法で...続きを読むす。製造業K社の事例を使って見てみましょう。…
 …まず、女性は男性と比較して、仕事量が少なく、職務グレードに照らし合わせてやや簡単な仕事を与えられていることがわかります。…
 もう一つの傾向として、情報共有についての問題が現れています。特に大きな差となっているのが、「全社的ビジョンや戦略」について男性ほど十分な説明を受けていないという傾向です。さらに、職場での情報共有が十分でなく、上司の期末評価の説明にも不満を持っていることがわかります。

 早期すり合わせが、残業時間を減らした事例として、L社のケースを紹介します。…
 従来は、コーディングの後に、ソフトウェアテスト、ユニットテスト、システムテストと順を追って不具合の有無をチェックしていたものを、常識破りではありますが、ユニットテストとシステムテストの順序をひっくり返したのです。狙いは、早期にシステムテストを実施することで、メーカーおよび他のサプライヤーを含む複数企業間で、これまでより早く車両レベルの仕様をすり合わせる機会を持つことでした。この中で、仕様のグレーゾーンやサプライヤー間の仕様理解の不一致が顕在化し、早い段階で改善策をとることができるようになりました。加えて、システムテストが終了すると、そのフェーズの工程が終わる前に次のフェーズの作業に入れるので、工程間のすり合わせが容易になり、システムテスト後に修正時間を十分に確保することが可能になったのです。…この変更により、作業時間の平準化が進み、夜10時以降の深夜残業がほとんどなくなったといいます。こうしたプロセスの変更は、エンジニアの余裕も生み、出荷後の欠陥率も平均0.321から0.127へと大きく低下しました。

 R社では、適正検査と筆記試験、グループディスカッション、一次面接の四つのデータが残されていましたが、驚くべきことに、この中で入社後のパフォーマンスとの相関が認められたものは、適性検査で測った創造的思考力とオーガナイズ能力の二つだけという結果でした。他の選考結果については、入社後のパフォーマンスとほとんど相関が見られなかったのです。

 …これは、統計学ではサンプルセレクション問題と呼ばれ広く知られています。
 この問題を直観的に理解させる例として、ハンガリー出身の米国の数学者エイブラハム・ウォールドの逸話があります。第二次世界大戦中、ウォールドは軍から、爆撃機の生還率を改善するために何ができるか尋ねられます。彼は、爆撃から帰還した機体の弾痕の位置を調べ、どこに防護のための装甲板を追加するのが効果的かを判断しようとしました。その結果、主翼や胴体などにより多くの弾痕がありました。この場合、どこに防護のための装甲板を追加するのが効果的でしょうか。一見、被弾しやすい箇所を強化することで、生還率は上がりそうです。しかし、ウォールドの結論は、多くの弾痕があるこれらの箇所ではなく、むしろ弾痕のほとんどない操縦席や尾翼の一部に防弾装甲を追加するべきだというものでした。調査した機体はすべて帰還した機体です。つまり、操縦席や尾翼への被弾は一発でも致命的になりえる、だから生還していない、そこがもっとも補強を要する場所だと結論づけたのです。

 米国で好んで語られる格言に、「人々は会社を去るのではない、悪い上司から去るのだ」という言葉があります。…私たちの建久でも、上司の評価のつけ方と離職の間には強い関係があることが分かってきました。

 …私たちの研究の一つでは、上司の交代に伴い、営業成績から予想される評価よりもワンランク低い評価を与えられた部下は、離職率が5%程度上昇することがわかりました。ただし、この効果は、従業員満足度調査において、本人が上司から評価についての十分なフィードバックをもらったと回答している場合には消えます。…
 上司が見ているパフォーマンスと、本人が自分で「できている」と考えるパフォーマンスとは、往々にしてズレがあるものです。多くの人間が、成功は自分の能力や努力によるものだと考え、失敗は自分の制御できない要因によるものだと捉える傾向にあり、心理学では、これを自己奉仕バイアスと呼んでいます。その結果、実際よりも自分の貢献を大きく評価してしまうのです。ですので、上司がなぜそのように評価したかを本人に明確に伝える努力を怠れば、部下は、「正当に評価されていない」と不満を感じます。人事考課は、単に評価するだけでなく、フィードバックを与えることに意味があります。…部下の納得感を高め、やる気を維持した上で、評価を上げるためには何が必要か、明確な方向性を示してやることが上司の務めではないでしょうか。
 

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

人事をデータ分析すべきという本。
統計の使い方はメイン。
中間管理職は
①情報の収集と戦略立案
②他部署との調整
③評価と配置
④部下の教育と動機付け
で評価する。

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Posted by ブクログ 2020年03月21日

人事に関する分析は、自身の実感・経験を大きく覆すものはなかった

面白かったエピソードは、
Abraham Waldの生存者バイアスの下りと、
離職理由でという下り、優れた従業員は会社を去るのではなく直属の上司を去っていく

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

本文中にも「PDCAのない世界」と書かれるように、人事評価、処遇、配置、だいたい腰だめで不条理なものだったなぁ、と感じる。
とはいえ、まぁこんなもんか、というあきらめにも似た、落ち着きどころに収まっているようにも思う。

しかし、受験も、就職も、会社内人事でも、評価が不条理であればあるほど、本質的な...続きを読む人間評価ではないから、傷つく必要はないという気軽さがあるのも一面の事実か。
そうした意味ではどうでもいい、逆に科学的に詰めない方がむしろいい分野なのかとも思う。

のんびりした生活を送り、のんびりした会社にいるからこその感想かとは思うけれども。

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