あらすじ
信心を獲得して生きてほしい──。15世紀の乱世にあって蓮如は門徒に多くの手紙を書いた。「御文(おふみ)」や「御文章(ごぶんしょう)」と呼ばれる仮名で書かれた手紙は皆の前で読み上げられ、門徒たちは生きるよりどころを得ていった。この教えがさびれていた本願寺を再興させる。戦いに勝っても本当の解決にはならない、念仏修行して仏の教えに生きなければならないと説いた蓮如の言葉の真意を手紙や言行録から明らかにする。
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Posted by ブクログ
この本の特徴は、言葉編と生涯編に分かれており、前半の言葉編で、テーマに分けて御文の言葉を解説。後半の生涯編で、蓮如の伴侶と子供の死を経験しながら、親鸞聖人の教えをひたすらに伝えるという生き方を知ることができる。
御文については、すべてを解説しているのではないが、主要な有名な文を取り上げてあるので、お聴聞に行ってると聞く、ああ、いつものあれだ!という感じ。
原文、現代語訳、すごく切れのある解説。平易で簡潔な文であるが、例えも明確でわかりやすい。蓮如上人の生涯からも、文の深いところまでも読み解いている。
生涯編は、とてもわかりやすくまとまっている上に、考察がしっかり入っていてすごくいいなと思った。波瀾万丈の人生を生きられたことが内面性を明らかにする点からも伝わってきた。
ひょっとしたら、生涯編を読んでから、言葉編を読むともっといいかもしれない。
蓮如上人について初めて読むにはお薦めの本だ。