【感想・ネタバレ】黄金の掟 ──破産回避術のレビュー

あらすじ

ウォール街は成功と敗北が如実に突きつけられる世界だ。けっして運だけでは生き残れない。では、その世界で、計り知れないほどの富と名声を築いた人たちは最初から成功を勝ち得ていたのだろうか。彼らにも、失敗や自信喪失にいたる経験はある。しかし、そこから分析・検証・研究を行い見事な復活を遂げたのだ。後進に多大なる影響を及ぼし、いまだ伝説のトレーダーとして語られる5人のスーパートレーダーのテクニックに迫る!

超一流トレーダーが自ら築いた戦略とルールとは!
本書には、5人の株式トレーダーが登場する。いずれも、多くのトレーダーが夢見るほどの大金と名声をウォール街から手にした成功者である。彼らのトレーディング時期は少しずつ重なってはいるが、全員の時期で見ると、ウォール街のここ100年の動きを見ることができる。その間、マーケットはさまざまな顔を見せたが、彼らはその中で、自らの規律と戦略を確立させ、伝説となり得るほどの成功を手にしたのである。

・ジェシー・リバモア――破産と成功を繰り返した波乱の人生を送った孤高のトレーダー。彼の増し玉は、多くの後進に影響を与えた。

・バーナード・バルーク――財務家としての徹底したリサーチで、週給5ドルの雑用係からミリオネアに。金融界の成功を土台に、政界でも活躍した。

・ジェラルド・ローブ――マーケットを戦場ととらえ、生き残るための完璧な規律とルールで機敏に立ち回った。経済記者としても活躍した。

・ニコラス・ダーバス――プロのダンサーとして成功する一方、マーケットへの研究も真摯に取り組み、ボックス理論を確立。

・ウィリアム・オニール――過去の成功者のルールを徹底研究し、独自のトレード法「CAN-SLIM」を確立。自ら成功するだけでなく、他のトレーダーにも多大な利益をもたらした。

彼ら5人は、それぞれ独自の戦略と規律を築いていたが、それらは驚くほどの類似性がある。つまり成功へ導いてくれるルールは存在するのだ。彼らが失敗と経験、多大なる時間をかけて見つけ出した法則を余すところ無く著した本書は実に有益な一冊である。

※本書は、『伝説のマーケットの魔術師たち』を、改題・現代語に編集したものです。

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Posted by ブクログ

ジェシー・リバモア
ウォール街は変わらない。資力は変わる。株価も変わる。だが、ウォール街は変わらない。人間が変わらないから。
株価が新高値を付けた時に買いに入る=押し目や調整が入った後で出来高の増加を伴って高値を更新した銘柄。
空売りも同じ。
強気相場では先導株にだけ照準を定める。低調な銘柄には手を付けない。
試し玉と増し玉をあらかじめ計画する。
上昇している最中に売る。天井で売るのは不可能と考える。出来高が増加しているのに株価が上がらないときに売る。

バーナード・バルーク
10回のうち3~4回しか当たらなくても、間違ったときに損切りすればトータルはプラスになる。
意外な人物が株の話をしたら相場は天井。
呼び資金を残す。暴落したときのチャンスに備える。
素早い損切。最大10%、7~8%。
値上がりの最中で売る。

ジェラルド・ローブ
ほかの誰もが知っていることは知る価値がない。
価格と出来高。特に出来高は需要の決定要因。需要がなければ上がらない=出来高がなければ上がらない。
全部の卵をひとつの籠にいれて注意深く見守る。
株は定期的収益ではなく、大幅な利ザヤを狙うもの=半年から1年半の間に資金を倍増させるもの。
PERは有用ではない。しかし高値に進むときチェックはする。
損切は10%を超えない。
相場のトレンドに目を配る。
値上がりには出来高の増加が必要。上昇しても出来高が薄ければ弱気のサイン。
持ち株が新高値を付けた時は増し玉のサイン。あらかじめ計画する。
一つの銘柄に最大で資金の20%まで。
一番高い株が一番安い。
不調なほうから処分する。

ニコラス・ダーバス
良い株や悪い株は存在しない。存在するのは値上がりする株と値下がりする株。
上げつつある株は売らない。損の出ている株は素早く売る。
ボックス理論。
他人の言葉を受け入れない。
適切な相場環境になるまで待つ。5~8銘柄しか保有しない。

ウイリアム・オニール
忍耐と勤勉さ、成功するという決意。研究の虫になる。
チャートの研究。勤勉以外に成功する道はない。
CAN-SLIMシステム。
「オニールの成長株発掘法」「1銘柄投資のサクセス法」「オニールの相場師養成講座」
7~8%下がったらどんな場合でも損切りする。
「カップウイズハンドル」「ダブルボトムベース」

利益の一部は取り分けて予備口座に移す。
四六時中相場に張り付かない=悪いときは離れる。
分散化は避ける。

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2018年06月16日

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