【感想・ネタバレ】実践するオープンイノベーションのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月25日

■なぜオープンイノベーションが必要?
「製品寿命の短命化」と「ゲームチェンジャーの出現」により、新たなものをスピード感を持ち開発・提供し続けることが求められる。自前主義ではこのスピードについていくことが困難なため、他者と組むことが必要。
■オープンイノベーションを受け入れる環境を作るには?
1.仲間...続きを読むを増やそう(社内、社外。勉強会やコミュニティ作成、セミナー参加など)
何がしたいのか、どういう会社を探しているのかを設定していない、見えていない担当者が多い→あんまり上手くいかない。
2.社外に求める内容を明確にしよう(自社リソースの棚卸しからスタート、自社のどの技術を使ってどういうことをしたいのか明確化)
※協業目的は4つ
・新技術の獲得
・人材確保
・新事業分野の取り組み
・マーケット拡大
3.新規事業は失敗前提と考えよう(スモールスタート、小さいプロジェクトをいくつも並行で動かしておこう)
■オープンイノベーションを進める上でのつまづき
1.規模感
2.スピード感の違い
3.インセンティブの違い(金とビジョン)
■ベンチャーの特徴
1.先行者利益に相当する資産を持っている
2.組織がコンパクトでスピード感が早い
3.思い切ったビジネスモデルに挑戦できる(社内外のハレーションが少ない)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年06月13日

「オープンイノベーション」の現状が整理された一冊。変化のスピードが劇的に増している現代において、全てを自前主義で対応しようとしては、この激しい変化には対応できない。生き残れない。自社の強み、目指すべきモノコトを明確にした上で、外部といかに上手く連携し、未来を協創していけるかが重要、ってな話。特に各社...続きを読むの新規事業担当のインタビュー記事はとても参考になりました。皆共通しているのは、このままではダメだという危機感、その危機感からくる具体的な行動、大きな成果に至るまえには小さくとも地味な活動をいっぱい積み上げている、っていこうとでしょうか。

●ヤマハ(剣持さん、松本さん)
・社内提案制度(バリューアンプリーファイヤー)あり。イントラネットで簡単に応募可能。上司チェック不要。同時並行で新規事業の提案力強化の研修実施。良いアイディアは新規事業部予算で検証へ。検証は業務扱いとするが、本業と兼務が基本。実証実験で顧客ニーズがありそうなものは専任チームを作って対応するステージにあげる
・開発の人間も営業をするなのど、自分の領域を超えて事業という観点で全体を経験する機会を作ることが重要。
・社外との交わりとして、ベンチャーを招いて交わるイベントや、コーポレートアクセラレーターなど実施。
・社外との交わりにより、社内のオープンイノベーションへの意識関心を高めるとともに、良案を取り込む。

●オリンパス(石井さん)
・オリンパスairという、最小限の機能のみを搭載したカメラを開発し、それをオープンなプラットフォー、ムとし、ユーザーがアプリなどを独自に開発、アレンジが出来る仕掛け。
・地ならしとして、アイディアソン、ハッカソンなどを複数開催し、オープンイノベーションに向けた社内外の協力者を増やして行く。

●NTTデータ(残間さん)
・社外のピッチイベントに参加しまくり、空気を実感するところからスタート。
・winwinwinの三方よしをコンセプト
・社外から良い提案があったとしても、社内で受け手がないと進まない。社内の受け皿をどう作るか。自主的な勉強会を作り、周囲のイノベーター達から誘い込む。会社が未来に向けて深堀っていかないとならない4つのテーマを掲げ、事業部からの参加を募る。相互に助け合える関係が出来てきた。
・社外からの提案は、NTTデータと組むからこそ描ける具体的な未来像を必ず盛り込んでもらう。
・ビジネスの種が出てきたら、実証実験に進むか、やめるか、ピボットするか、を3か月で決めることをルールにしている。
・情報を社内に囲い込んでいては戦うことは出来ない。情報は開示する、競合に気付かれるリスクは当然あるが、情報を開示するからこそ必ず勝つ、そういう戦略性を持ってることが大事。
・OI事業創発室では、アクセラレーター、ビジネスマッチング運営、海外情報の発掘に特化したグローバルハンターの3つの部署で構成。
・OI事業創発室に一定期間留学するプログラムがある

●東京放送HD(片岡さん)
・18億円のCVCを創設。3年弱で12社に個別投資、IPO2社、MA1社の実績。リスク低減のために、ミドル、レイトステージにある、本業とのシナジーが描けるベンチャーを中心に投資。
・社内財務をだまらせるためにも、ファイナンシャルリターンがしっかり得られる投資先を選定する。その上で、ストラテジックリターンが狙えるものがベスト。
・情報力をあげるために、CVCとは別にVCにも投資している。
・専任者3名、兼務者5名でまわしている
・昼休みにベンチャーを社内に来てもらいピッチをしてもらう。OIへの理解があがると共に、社内の反応がリアルに見えることで、自社が組むべきベンチャーの方向性も見えてきやすい
・社内研修の一部にOIの組み込むことで、若いうちから意識をもってもらう。
・重要なのはスピード、投資した先の自由度を維持し、動きやすい環境をサポートする。自社のルールを押し付けない。

●ソニー(小田島さん)
・SAPのポイント。オープンイノベーション、収益化、EtoE。
・メンバーは固定化しない。固定化するとマンネリ化して良いアイディアがでない。基本は一人でやる、必用に応じて追加していく。自分事化。
・数値目標はあるが、明示しない。数字は魔力、出した瞬間にその数字に囚われてしまい、質よりも数字をやることが優先されるリスクあり。
・ソニーが持つリソースを積極的に開放し、ベンチャーをサポートすることで、良案の具現化を加速させる。ベンチャーを上から見るのは絶対やってはならない。対等、リスペクトすることが大事。

●東京急行(加藤さん)
・TAPの運営。東急がもつリアルな販路をベンチャーに解放することで他のアクセラレーションと差別化。リアルな販路での反応が良いもので、東急もともに成長できるものであるかどうかで、投資を検討する。
・直接投資に拘る。会社の承認ハードルはあがるが、その分会社のコミットが取れる。
・投資額は事前予算化はしない。予算化すると消化することが目的になりかねない。案件ベースで必要であれば都度予算をとりにいく。
・経営者と現場はイノベーションが必用、起こすべきと思っている。問題は中間管理職。このままの道で進めば安泰との思いが強く、自己否定ができない。オセロと同じで、経営者と現場の想いが強くなれば、ひっくり返らざるをえない。

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Posted by ブクログ 2017年06月08日

社内ベンチャーから始まったトーマツベンチャーサポート監修、オープンイノベーションついてのファクトを中心に纏められた良書。各社の取り組みにかける想いやそこに至る背景などが印象的。社内の巻き込みのためのイベント開催は共通する必要要素と感じる。イベント、ビジネスコンテスト、社内ベンチャー。きっとDoerが...続きを読む中心であるこの領域だからこそ、人の繋がりと情熱の強さが求められるのだと確認出来る。

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