あらすじ
社会学を学ぶ意味とは何だろうか? たとえば、社会の変化が私たちの日常にどう影響するか、あるいは、日々遭遇する困難を根本的に解決するにはどうすればよいか。それを適切に考えるためには、日常を社会や歴史と関連づけて捉える知性が欠かせない。社会学的想像力と呼ばれるこの知性こそ、社会学の最大の効用である。だが、当の社会学者も理論や調査に夢中になるあまり、そのことを忘れつつある──こうした現状を鋭く批判し、社会学的想像力を鍛える学としての意義を高らかに謳いあげる重要古典。今日でも全米の大学で最も多く用いられている社会学文献である本書を、みずみずしい新訳で送る。
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Posted by ブクログ
社会学を学ぶ姿勢を知るための一冊である。
ほぼほぼ当時の社会学者を批判する内容だった。
最後にある、公的問題と私的問題に取り組み、それらを社会科学の問題として定式化することである。と提案がある様にマクロとミクロの視点を持ちながら考え続ける必要があるのだろう。
これは現代でも全くもって当てはまるのではないだろうか
Posted by ブクログ
個人の経験と社会の文脈を結びつける力。例)個人の自殺と社会のリストラ増傾向。文脈だいじ。空間軸(周囲の環境)、時間軸(世代、cf. APC効果)▼パーソンズけしからん。歴史や文脈、観察なしに社会を抽象化できない。文脈を無視して、全体に還元しすぎ▼ラザースフェルドけしからん。社会的な文脈を無視し、個人レベルで人間の行動を説明しがち。社会学はディシプリンであって、方法上の道具ではない。文脈を無視して、個に還元しすぎ▼学者の書く文章には容易に理解できないものがあるが、それは内容の複雑さ・思想の深遠さとは全く関係がない(文章は難解だが内容は薄っぺらいものがある)。読み易いから皮相的ということもない。p.363 ライト・ミルズMills『社会学的想像力』1959