感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
美しい。綺麗。ノスタルジーで清廉だけれども妖しくどろっとした雰囲気で進むストーリー。そこに突然の香澄の死という衝撃的な展開。 明かされた真実、というより彼ら彼女たちが見出した真実は残酷であったが、終章を読んで震えた。ほんとうの真実,香澄の想い,あの言葉の重さ,この後香澄に起こること。しばらく動けんかった。私にとっては、ある種、ラスト2行でひっくり返った小説だった。
Posted by ブクログ
完璧な美少女・香澄と芳野に、香澄の家で演劇部の舞台背景を完成させるべく夏合宿しようと誘われる毬子が、数年前に香澄の家で起きた事件を巡って起きるあれこれに巻き込まれる話。毬子・芳野・毬子の友人の真魚子と視点人物を変えて語られる。青春小説かつサスペンスアンドややホラー。
香澄の母の自殺だった、というのは納得するんだが、結局香澄と毬子の事故は香澄の仕掛けた自殺だったのか、だとしたらその動機はなんなのか、いまいちわからない。登場人物が死んでオチをつける話は、それで感動する場合もあるけど納得の展開でなければ往々にしてチープなオチに思えてしまう。だから前半までは面白くハラハラしながら読めたけど、ちょっと不完全燃焼な気がした。
Posted by ブクログ
「ネバーランド」と対になるこの作品。
恩田陸さんの少年少女たちが出てくる作品はとても良い…
大人になりかけの少女たちが過去に事件があった家で夏を過ごす、そんな話。登場人物が魅力的で、語り手が章ごとに入れ替わることで登場人物への印象もうつり変わっていく。
三章の語り手の真魚子は読者の代弁者的な立場で、事件とは全く関わりのない立場から物語をみてストンと締めくくってくれるのが気持ちいい。
少し終わらせ方が強引かなと思うところはあったけど本当に真夏の夜の夢を見たあとのすっきりした不思議な気分になれるそんな話でした
Posted by ブクログ
《有頂天になっていると、見ていた誰かに突き落とされる。素晴らしいことに胸を躍らせていると、必ず誰かが「そゆなつまらないもの」と囁く。そうして、背伸びをしてはうずくまり、手を伸ばしては引っ込めて、少しずつ何かをあきらめ、何かがちょっとずつ冷えて固まってゆき、私は大人という生き物に変わっていく。》
この物語で1番好きな文章。
キラキラとした中にも常に仄暗さがまとう。
それでも若い好奇心から離れることが出来ず、タイミングを失う。
こられほどスリリングではなくとも、
生きることに下手くそな時代に同じような気持ちを持ったことが何度もあるはず。
そんな雰囲気を思い出す。
こうすれば。
こう考えれば。
こう振る舞えば。
視点が幾度か変わるので、何度となく気付かされる正解。本当の正解かはわからないけど、上手く立ち回れなかった答え合わせを頭のどこかでしてしまう。
Posted by ブクログ
高校生くらいに呼んだ気がする、再読。
その頃の感想は「やっぱり恩田さんの描く女の子たちは強くて、こうなりたい」
今となってはそれが毬子なのか、香澄なのか、芳野なのか、真魚子なのか、わからない。
てか香澄死ぬんだっけ
びっくりした
終わり方も綺麗だったなあ
香澄の視点で終わる感じがいい
わたしがあの時感じた「強い女の子」って誰だったのかな
強くて綺麗なんだよなあ
誰だろう、でもみんなそれぞれ強さがあった気がするな
そして美しい
「少女」の残酷さが美しいな
ストーリーの展開も静かで美しい
本格サスペンスには遠いけど、恩田さんの作品が好きな人にはわかる感覚だと思う
月彦が香澄のお母さんを殺した犯人が香澄だと告げた、最後に香澄の視点でそれはお母さんからの指示だったと
それを知ってる人はそして誰もいなくなる
残酷な終わりで美しい
Posted by ブクログ
んー幻想ほど憧れの女の子は幻想ではなく普通の女の子だったということだろうか
誰もが他人に夢を見ている、自分のイメージの世界を生きているということだろうか
一人で行こうとしたなんて幻想で、ただの事故死なんてめっちゃ残酷だな
その幻想が香澄を殺したみたいに見える
多分全然解釈違いだろうけどそうゆう印象
Posted by ブクログ
高校の夏休み、演劇祭の舞台装置を描くために、先輩、香澄の家に泊まり込むことになった鞠子。でも、そこに集ったのは、過去に起きた不幸な事件と深く関わりのある人たちだった。
香澄や鞠子はどう関わっていたのか、ハラハラしながら一気読み。最後に意外な真相が明かされるが、恩田さんのミステリーは、ホントに面白くて、今回もまた引き込まれてしまいました。