【感想・ネタバレ】本当は世界がうらやむ最強の日本経済のレビュー

あらすじ

人口減、長期化するデフレ、国債リスクや年金崩壊、格差拡大……
今、多くの日本人は日本経済の未来に対して、非常に悲観的なイメージを抱いている。
しかし、諸外国と比較したデータを冷静に見つめれば、
日本経済と日本の社会システムは、世界一と言ってよいほど恵まれている状況にあるのだ。
日本在住30年以上のドイツ人エコノミストが、医療や学費から家賃、そして株価といった、
誰にでもわかるシンプルな統計データを元に、日本の「好都合すぎる未来」をはっきり描き出す。

【著者紹介】
イェスパー・コール
1961年ドイツ生まれ。80年、レスター・B・ピアソン・カレッジ・オブ・ザ・パシフィック卒。
86年ジョン・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院にて国際経済学修士を取得。
京都大学経済研究所研究員、東京大学教養学部社会科学研究室研究員を経て、
89年、S.G.ウォルバーグ証券会社日本経済担当チーフ・エコノミストに就任。
J.Pモルガン(東京)調査部長、タイガー・マネジメントL.L.C日本駐在事務所マネージングディレクター、
メリルリンチのチーフジャパンアナリスト、J.P.モルガン株式調査部長などを歴任。
2015年、世界で運用資産残高630億ドルを超えるウィズダムツリー・ジャパン最高経営責任者(CEO)に抜擢される。
一貫して日本経済の調査に携わっており、通産省の産業金融小委員会を始め、
財務省の関税・外国為替等審議会外国為替等分科会の専門委員など、各種政府諮問委員会のメンバーとしても活躍。
著書に『日本経済これから黄金期へ』『平成デフレの終焉』など。

【目次より】
◆まえがき なぜ世界は日本をうらやむのか
◆第1章 実は全然衰退していない日本
◆第2章 実は急上昇している日本企業の底力
◆第3章 実は絶対に破綻しない日本国債と金融
◆第4章 実はトランプ勝利で活性化する日本
◆第5章 少子化、五輪、AI…実は好都合な近未来

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Posted by ブクログ

イェスパーコールのデータで読む好都合な近未来。実際にお会いする機会に恵まれる幸運、楽しみだ。
データを活用して、ポジティブに経済を捉える。確かに、日本に30年いて、日本を売る筆頭みたいな人なので、こうした論調なのも頷ける。
ハイパーインフレは戦争にならない限り起きない、理由は海外資産が借金を上回っているから。
少子化→生産性はこれから急激に上がる、結果として給料水準はアップ、移民もとっくに始まっているので大したことはない。
人材は流入する可能性がある、それは30年住んでいるから魅力があるのがわかるという。実際は、英語が使える人が多い、役所も英語対応、とにかく親切、安全。ただ、ネガティブな点は、年功序列である。年功序列と生産性、二つの問題を日本企業が解決するにはどうしたら良いか?
日本は、世界でもっとも五感を楽しませてくれる国、四季、食べ物、リアリティの世界で競争すれば勝てる。 AIではなくEIで。Emotional intelligenceでの競争は優位。2020年のオリンピックでもアピールすべき。特に、世界の中で、勝てるコンテンツをどういう風に磨いていけばいいか?(京都や北陸の魅力はあるが、東京自体をどういう方向に進ませるべきと考えるか)
行き過ぎた資本主義と、日本型経営、どっちがいいか。日本型経営では、利益を株主ではなく、顧客に返す。→実際に、日本型経営はいかにして顧客満足度を高めるかに苦心してきた。さらには、環境や社会に貢献する、という会社=公器考え方がそもそもある。そのかわりにROEが弱い。今後、こうした日本型経営の良さを活かして、海外と戦っていくにはどうすればいいか?(日本企業は首を切らないし、安定しているという印象がある。一方で、ポジションがある意味日本的な年功序列によって担保されているため、安心して会社に残れる反面、優秀な外国人の労働者を繋ぎ止めきれない。

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2019年01月14日

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