あらすじ
「あの貌(かお)」を再び目にしたのは、寒凪(かん なぎ)の船上。
千(せん)が亡き恋人ーー億政(おくまさ)の亡霊かと見紛うたその男は、船頭の兆(きざし)。
億政の双児(ふたご)の兄であった。
同じ貌なのにまるで違う。
そのすべてが千をいっそう苛立たせ、惑わす。
千に心奪われ、身を焦がすほどの恋心に悶える兆もまた、決して千に満たしてもらえることのない淫らに疼く身体の火照りにさいなまれた。
貴方に、愛されたいなんて 思ってはいけない。
けれど、気まぐれに触れる千の掌の熱さは、兆の心をますます乱してゆきーー。
狂おしき恋情をめぐる執着譚
累計60万部突破の「百と卍」シリーズ待望の「千と兆」外伝巻!
【紙&電子共通応援書店ペーパー収録】
元火消しの卍(まんじ)と陰間あがりの百(もも)。義兄弟の契りを交わした2人の蜜月を描く本格江戸BLです。
言葉遣いはもちろん、当時の風俗や文化などを随所に織り交ぜつつも、甘くキュートなBLに仕上げられているのは、時代物を多く手がけてきた紗久楽さわ先生だからこそ。
百と卍のイチャラブはえっちで可愛く(百の尻のラインが最高!思わず触りたくなるプリケツっぷり!)、見ているだけで幸せになります。
おっとりして天然っぽい百ですが、陰間時代のエピソードは切ないのひとこと。実の兄でありながら百を陰間として「仕込む」ことになった醒と、そんな醒を慕う百との、胸を突かれるような関係には思わず涙が。
俺様でツンデレな伊達男・卍もまた、なにやら重い過去を背負っているようで…互いに地獄を見てきた2人だからこそ、こんなにも優しく思い合えるのかもしれません。
時代物ははじめてという人にも、ぜひ手にとっていただきたい作品。新しい萌えに出会えること間違いなし!です。
感情タグBEST3
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匿名
目と指で感情を表現する天才。
このシリーズが好きな方は絶対に読んで欲しい1冊。
千は今まで悪役として描かれてきましたが、
今作はそのルーツと兆たちへの心情が描かれています。
個人的に先生の作品は、辛いとか、もどかしいとか、愛おしいとかジェットコースターみたいな感情の表現が上手だなぁといつも思います。
とくに目や指!キャラクターの性格や、心情に合わせて細かく描かれているなと思います。
セリフではどう思ってるか言ってないのに、
目や指の形?で、こう思ってるからこうしてるんだろうなっていうのがわかって面白い!
あと兆の全てが美しい!!ありがとうございます!
このCPは想像以上に沼りますよ!
千と兆の物語が完結します。健気な兆と素直になれない千がようやく収まるところに収まって良かったです。億政がただの可哀想な薄倖の美人ではなく、強かに生きて今も二人に影響を与える人間として描かれていて安心しました。兆の妻の為人や、百樹との繋がりも描かれて満足感があります。次巻で最終巻ということで、寂しい気持ちもありますが最後まで百と卍を見届けたいです。
Posted by ブクログ
『百と卍』のスピンオフ
千(せん)と兆(きざし)の物語
大好きな『百と卍』シリーズということで買ってはみたものの・・・
うすうす分かってたけど、やっぱり好みじゃなかったf^_^;
理由は、兆が不憫すぎて読み進めるのがしんどい
あと、とっても深いお話なだけに個々の登場人物の心情が複雑すぎて、一回読んだ位じゃ自分には理解しきれなかった。
近いうちに再読しようとは思ってるけど、また不憫ゾーンを通過しなくては・・・と思うと気が重くなっちゃって・・・(´ー`)
最後はハピエンではあるので、まあ良かったんだけれども、この2人の醸し出す仄暗い雰囲気がどうしても苦手で・・・f^_^;
むしろそこがエロスな感じで好き!って人も多いと思うし、作品自体は本当に素晴らしい。
特装版の小冊子でちょっと心がほっこりした。