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Posted by ブクログ
【あらすじ】
鍵盤に手を置くと指が自然とメロディーを奏でる。弾けないはずのピアノなのに、まるで魔法のように。そして桂は思い出す。会えないはずの少女に会った記憶を(「別れの曲」)。かすみ草を使って優しいお見舞いの花束をつくる木太郎。届け先は老いたパティシエがひとり住まう家。彼には遠い日に亡くした愛娘がいた(「火車」)。哀切で愛らしく、ほのかに怖い短編集。
【感想】
Posted by ブクログ
「別れの曲」桂が焼け焦げたはずのお屋敷でピアノを教わった体験を語る
「夏の川」木太郎さんが目撃した百鬼夜行
「火車」娘を亡くしたパティシエの魂の話
「約束」漫画家の結城先生のコックリさん、ロボット、ベテラン漫画家さんとの話
タイトルに「怪」と入っているように、ホラー要素が入っている話ばかり。
中でも「火車」は、ホラー要素というよりも切なさの残る終わり方で印象的だった。
Posted by ブクログ
怪、というタイトルは分かっていましたが、まんま怪談だとは思っていなかったので、ホラーは苦手な私は少々びくびくしながらページをめくりました。
1話の桂の話はとても可愛らしく美しかったです。りら子も良いこと言うなあと。火車の話は切なかった。実際にこういった事件が起きている現状、いっそ文字に起こされた村山先生の、こういった事件に対する怒りや悲しみが表されているようです。
第4話、こっくりさんなんて、私が小学校くらいのときに禁止されたような気がしますが、クラスの隅っこにいた私はやったことがなくやり方も知りません。が、こんなふうに明らかに怖いものに変貌した「こっくりさん」を、それじゃうちにおいでよと言ってしまえた有城少年は結構な大物だったのだなと変に感心してしまいました。おどろおどろしいはずの4話ラストは茉莉亜の魔女っぷりが圧倒的すぎてすごかったです。彼女は本当に底知れない。
最後の猫のお話は、これもまた村山先生の猫に対する愛情溢れるお話でした。猫は魔的なものを感じさせる動物なのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
村山早紀さんの作品は大好きなのだけど、酷い目にあったり、自己犠牲をしたりする猫たちが出てくるのだけは辛い…と、ちょっぴり間を置いていたのだけど、火車は、なんとも、心に残る話だった。
今回、猫ではなくて、人間と愛猫が一緒に怨霊化して復讐してしまう。それで成仏するならスカッと(スカッとまではしないか)まあ、一件落着な感じがあるのだけど、そのまま、善悪とか愛情とかなくなってただの怨霊になってしまう哀しさ、恐ろしさがある。
人を呪わば穴二つ?
酷いニュースが流れると、物凄い怒りに駆られるのだけど、報復するのも簡単なことではなく…悲しくて悔しいなあ。なんでそんな奴らがいるかな。