あらすじ
今から約三○○年前、突如として現れ、人類を無差別に襲いはじめた謎の怪物“霧の魔物”。この魔物に最も有効な対抗手段は、魔法使いに覚醒した人間のみが使用できる“魔法”の力であった。
ある日、その力に覚醒した笠置佑也は、魔法を学ぶため「私立グリモワール魔法学園」に入学することに……。そこは、男女比二:八の美少女ばかりの学園だった!?
魔法使いの美少女たちとともに、人類の脅威を相手に戦っていく大人気の学園アドベンチャーゲームが、待望のノベライズ!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作品は原作がアプリゲームであり、ストーリーは未だ完結には程遠い状態である。そんな作品のいわゆる序章にあたる部分を、丁寧にオリジナルの文章で描ききったなあと感心した。
本作品は魔法使いに覚醒した少女たちと共に、決死の覚悟で戦う男主人公の物語だ。ゲーム(原作)内では、そのキャラクターの数は多数存在し、それをライトノベルで紹介仕切るには当然無理がある。そこで、物語序盤で出会うヒロインたちをメインにスポットライトを当て、最初は平穏に、すこし笑いに、そして終盤で盛り上がりを見せる──といった流れで構成されている。
筆者であるくしまちみなと氏は、書き方が本当に丁寧だ。ライトノベルに限らず、小説では状況説明があまりに足りていなかったり、逆に口説くなりがちであるが、この作品は1冊の本の中に、起承転結をパタンと閉じ込めている。グリモアという作品の世界観を、見事に小説として成功させたといって過言ではないだろう。