【感想・ネタバレ】ピエタ 1のレビュー

榛野なな恵

[ブクログ · ★★★★★]

お互いを想いあい、いつくしみあう二人の少女の話しだが、百合漫画とはカテゴライズしたくない、そういう漫画だった。
愛されないで育った少女と愛されて育った少女、全く違う境遇にありながら共通のものを持っている。そのような一種の異端とまでいえるような感受性の強い人たちを「新しい人種」ととらえている。
作者の博識さと、ことこまかな心理描写に敬意の念を表したい。
少々登場人物の表情がかたいが、メッセージ性は十分である。必読の漫画である。

[ブクログ · ★★★★★]

理央と佐保子は高校3年生。幼少からの父や継母による仕打ちに心閉ざしていた理央だが、佐保子とのふれあいで徐々に変化を…。ところが、理央の存在を忌み嫌う継母は、理央を死に追いやろうと罠を……。

[ブクログ · ★★★★☆]

面白い百合漫画だったなと思って再び入手したけど、今読み返してみるとそれとも少し違うかもしれない。２人でいることは、少しずつ外へ開いていくようで、同時に究極に閉じた関係のようにも見えるけど、これが最上の形なんだろうな。じんと沁み入る、モノローグの美しさに感嘆しました。