あらすじ
本書は日本の皆さんから、イビチャ・オシムに聞いてみたいことを募り、
オシムがその質問に答える、という形の企画としてはじまった。
質問の内容はサッカーに限らない。
仕事でも恋愛でも生き方でも何でもいい。
毎日を生きるうえで、人生を生きるうえで直面しているさまざまな問題や、
今日の日本社会を覆い尽くしている閉鎖感の中で、希望を見出そうとしている人々の悩みに、
オシムなら応えられるのではないかという思いがあった。
そして……意図した形とは違えど、オシムは我々の問いに「答え」を授けた――その中身とは。
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Posted by ブクログ
久々に本を探索していた時にオシムさんのこの書を見つけた。
思えば幾年も経過したが、自分が読書を習慣づけるきっかけとなったのが木村さんの「オシムの言葉」であった。
あの書をゲレンデへ向かうバスの中で貪るように読んだことを今でも覚えている。
やはり今でも多くのインプリケーションをもらえるオシムさんには本当に感謝しかない。
本書においてもオシムチルドレンのJリーガーたちの質問なども記載がある。
私は特に印象に残ったのは水野晃樹選手の質問だ。
「昔のプレースタイルを追い求めるのをやめ、新しいプレースタイルを追求したほうがよいのでしょうか」
オシムによって成長し、一時はセルティックに移籍、その後紆余曲折を経てジェフに復帰するが昨シーズンは仙台。そして今季は引退をしてしまった選手だ。
彼はナビスコカップで2年連続タイトルを取った際にニューヒーロー賞を獲得し、向かうところ敵なしなウインガーだったが、その持ち前の個性が少し仇となり、年齢に応じた衰えに対応できなかったようだ。
結局年齢に応じた追求をする前にスパイクを脱ぐ決断をしているが、それはそれで1つのストーリーの終焉で感慨深い。
このように重厚なスチーリー性を帯びる媒介としてのオシム氏の発言はとても気づきを得られる。
サッカーファンのみならずとも、ぜひとも読んでもらいたい1冊だ。
▪️目次
はじめにー田村修一・訳者
第1章 「日本」のあり方
・日本の特質について・日本人のリーダーに望むことetc.
第2章 「チーム」のあり方
・「上司」と「部下」はどうあるべきか・キャプテンの適性etc.
第3章 「個」のあり方
・コレクティブな日本人とは・ストレスに悩む者はいるのかetc.
第4章 「サッカー」のあり方
・サッカーをどう考えるか・日本のサッカーが目指すものetc.