あらすじ
51歳になった、現役ミステリーハンター竹内海南江がおくる最新エッセイ!
1987年の初登場から約30年間「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして活躍し、
訪れた国は世界100カ国以上、人生の半分以上を旅で過ごし、1年の半分以上を取材に費やしてきた竹内さん。
さまざまなロケや旅ではたとえどんなに過酷な状況でも、笑顔を絶やさないこと。
臨機応変に、時には大きな決断をくだし、時には流れに委ねてみること。
新しいことを吸収するため、常にリセットした新鮮な気持ちでいること。
などなど、さまざまなことを旅から学んできたといいます。
あっというまに51歳、けれどもまだまだこれから旅を楽しみたい!という彼女の言葉から、
同年代の方はもちろん、多くの方々が1歩踏み出すエネルギーが受け取れる1冊です。
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Posted by ブクログ
「世界ふしぎ発見!」は幼少期から好きな番組の一つ。
勿論本書の著者 竹内さんのこともよく知っている。ミステリーハンターとして番組のために行動されながらも、彼女の周りにはいつも「ゴーイングマイウェイ」風(かぜ)が吹いているように映っていた。
旅することが一番よく似合うひと。あんな風にどこへ行っても自在に旅を楽しめたらなーと憧れた方もきっと多いはず。
刊行は2016年。竹内さんが今まで訪れた国々やロケの裏話が中心だが、久々に”純”紀行文を読んだ気分。情景を紙面に思い描き、彼女が導く場所へと心をびゅんびゅんワープさせた。
ベテラン竹内さんpresents. 旅支度の心得も心強い。(これはガチ)
1987年以前(ミステリハンターになる前)の彼女は旅への興味はそこそこ、番組の存在もご存知なかったらしい。
しかしバブルの残り香を謳歌されていたり、肩の力を抜いて番組のオーディションを受けたりと「ゴーイングマイウェイ」なところは変わっていない模様。(あとハンター就任後、早々に番組ディレクターとバトったり笑) 何だか安心した。
印象的だったのは、訪問先の国を「よそ様の家」と呼ばれていたこと。
旅好きの中には「地球がわが家」という考えをお持ちの方もいらっしゃる。それはそれで素敵なのだが、彼女のように自在に旅ができても、結局訪問先は「よそ様の家」であることに変わりはない。
そんな時、必ず相手の国へのリスペクトは忘れないという。リスペクトをもって日本の我々に真実をリポート。クエスチョンを練る際も、日本で得た情報がガセネタでないかどうかを必ず現地でチェックする。
それにしても、テレビで見る以上に逞しい方だった。
例えば2016年時点で、エジプトには20回以上訪問。砂漠ロケは勿論のこと、50歳にしてピラミッドに登頂されている。(登頂は番組が特別に許可を取ったらしい。「ふしぎ発見」、地味に無茶するんだよなぁ…笑)
本書に収録されたヒマラヤのロケ日記も凄まじかった。
あんな標高では平常でいることさえ精一杯だろうに、周りに疲れを見せないなんて。その時の彼女は客観的に自分を分析していたらしいけど、50歳前後でここまでイキイキできる自信がない。
思えば22歳でハンターに就任、今ではインターネットで解決する下調べやハプニングにも直にぶち当たってこられた。そのため不安はあっても冷静に周りを観察し、必要な時には助けを求めることも厭わない。
思わぬハプニングで心折れないために出国前には頭を一旦リセット、旅先で知る「新しい知識」のためのスペースを作っておく話は普通に日常生活でも活かせそう…!
年齢の重ね方として、ここまでロールモデルになる方はそうそういないと改めて思った。「イキイキできる自信がない」とか言ってる場合じゃないな。
Posted by ブクログ
この名前にピーンとくる方は、世界ふしぎ発見をよくご覧になっている方だと思う。何しろ、1987年以来ミステリーハンターとして世界中を飛び回っているのだから、積み重ねると相当な体験や思い出が脳に詰まっている事だろう。
ミステリーハンターという名前自体がミステリーだった時代からすると隔世の感があると思っているのは著者も同じだ。今では、20代女性にあんけーとをした「なれるとしたらなってみたい特別な職業ランキング」で第2位というのを知って驚いた述べている。ちなみに1位はサンタクロースというからミステリーハンターも人々に夢を与える職業に入るのかな。
ミステリーハンターになりたいギラギラした野望がひとかけらもなく、オーディションでは、5分以内で一芸を披露することになっていたのに、「芸がないのが、私の芸です」と言ってのけて何もしなかったというから神経の太さは相当なものだ。そうでないと世界に飛び出していけないからなあ。取材と言ってもニューヨークやパリと言ったおしゃれな街ばかりとは限らないのがこの番組名だけに、可憐な乙女では到底務まらない。
今までのロケにまつわる話や、あるロケでの個人的な記録が載っていて興味深い。これからも40年、50年とミステリーハンターを続けていってほしいなあと思った。
Posted by ブクログ
益田ミリの旅行エッセイがよかったので、さらに紀行ものをと読んでみた。ツアー旅行と、ミステリーハンターとして世界の秘境で普通の旅行者にはできないことをやるという対極的な話だが。文体も、益田ミリの読みやすい巧みな文章と正反対の癖の強さだった… 益田は40代を機にツアーに出たが、竹内は50の節目でこれを書いた。二人は5歳違いだが、竹内の方がバブル体質を今も残している感強し。「女性が笑顔でいれば、周りの男性諸君が頑張ってくれる。…男性諸君を鼓舞できる、素敵な笑顔の女性を増やしたい、…」(p.93-94)という価値観にはうへー。ヒマラヤで酸欠になった時、若い男のアシスタントも高山病になったことを後から知って、「なんだよ、アシスタントが一番みんなに迷惑をかけていたにもかかわらずだ、…」(p.177)とか言うのは、当然冗談で書いているにせよ、パワハラ発想でドン引き。
全体としてトイレ話が半分以上占めている印象。多くの秘境に行っているのだからトイレ問題が重要なのは当然なのだが、彼女の場合、南方性の虫が3年もお腹にいて習慣性下痢に苦しみ(3年いたのは原因がわからなかったから)、それが元で過敏性腸症候群になってしまったため、少しの刺激や不安など心因的原因でも下痢になりやすいという事情によるのだった。なのに、夜咽喉が乾いて水がぶ飲みして何度もお腹を下すのを2晩繰り返し、ようやく3晩めに水の量を減らすという無謀さというか学習能力のなさが心配になってくる。辛い物やお酒や肉も大好き。竹内は出すものは出してしまうとよいと思っているようだが、そりゃ悪いものを出す必要はあるけれど、消化器を酷使するのは体に悪いと思う…
これを書いたときは、世界ふしぎ発見!がまだまだ放送中で、いつまでもミステリーハンターを続けたいと書いていたが、とうとう昨年終わってしまった。もう腸に過酷なことはしないですむとよいが。