あらすじ
失われないものなんて、この世界には何ひとつない―。 心の奥から涙が零れる、かけがえのない喪失の物語。
失われないものなんて、この世界には何ひとつない―。
美術教師・栄一郎は自身の個展にひとつだけ自身のではない絵を持ち込んでいた。『ここではない何処かへ(サムウェア・ノットヒア)』というそれは、圧倒的な存在感を放ち、見る者に痛烈に何かを問いかけてくる―。高校時代、栄一郎は幼馴染みの零子と美術同好会に所属していた。零子は没頭して絵を描き、天才的な才能を持つが、あることをきっかけに心を壊していき…。読めば3回涙する、心の奥から涙が零れる、かけがえのない喪失の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
徐々に引きずり込まれる。
うまくいかないやるせない、でもどうしようもない。そんな気持ちで胸が苦しくなる。もがきたくなる。でも、どうすることもできないのも、わかる。
綺麗事のない、明け透けな人の姿。
それが愛おしい。
Posted by ブクログ
びっくりするほどの湿度と照度だった。
勝手なイメージでこのレーベルからこんな話は出さないだろうと思い込んでいたので、後頭部強打されたような感覚。
これはカスヤさんのイラストじゃないほうがよかったのでは、いや、むしろこのギャップがよかったのかもしれないな。
零子は、栄一郎は、ほんとうにこれで幸せだったのか、答えは本人にもわからないだろうけど、とりあえずツライです。でもカスヤさんはこの物語を読んで、この構図でこのカバーを描いたのだろうならやっぱり、すごいなとも思う。