あらすじ
デビューから50年、何百人もの人生を演じてきた多芸の人・西田敏行。古希を機に、生い立ちや家族、役者人生を赤裸々に明かす初の自伝。監督、俳優、友人との交流や制作等の面白秘話満載!
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Posted by ブクログ
7年ぶりの再読。昨年10月に76歳で急逝した西田敏行さんの、2016年に刊行された自伝です。西田敏行という役者が、どのように形づくられてきたのか、その来歴が包み隠さず綴られています。
テレビや映画で観る西田さんのイメージそのままの明るさ、人間的な温かさの他、役者としてのプロ意識が随所で感じられます。その数々のエピソードが心に響き、西田さんの魅力がさらに増しました。
知らなかった幼少期の経験、青年期の挫折や苦労もあり、決して順風満帆ではなかったのですね。そうしたことが原点にあり、舞台からテレビ、さらに映画へと軸足を移しながら、役者・西田敏行が磨かれ、形づくられていったのでしょう。
うまい見事な役者でなく、面白みのある(地で勝負する)役者を目指し、若い頃から根っこに抱いたその姿は、生涯変わらず見事に花開いたのですね。いや、どんどん凄みを増していきましたね。
震災・原発で傷ついた故郷・福島をいつも気にかけていた西田さん。あなたは被災した方々へいつも元気を与えてくれる、いい役者でしたよ!
改めて、自伝ではありますが、学ぶことの多いユーモアあふれる個性的な自分語りでした。多くの方に読んでいただきたいと思いました。
西田さんのご冥福を心からお祈りいたします…
Posted by ブクログ
西田敏行さんが古稀を迎えたタイミングでご自身を振り返った著書。最初から読んでいてワクワク感が止まらなかった。貴重な「昭和・平成の『芸能史』」でもあると感じた。
西田敏行さんは実に多様な作品に出演されているが、この本を読んで観てみたいと思ったのは次の通り。
・ 「ハッスル銀座」 (1970年代TBS)
互いに売れる前からの大親友の松崎しげるさんと、夜な夜な飲み歩いては即興で歌を披露し、飲み代をタダにしてもらっていたという。「松ちゃん」「西やん」から始まるやりとりすべてがアドリブで、常に爆笑の渦。これがTBSの方の目に留まり、土曜日正午からの生番組として始まったそうだ。
・「植村直己物語」(1986年)
想像を絶する過酷なロケであったそうだ。にもかかわらず、西田敏行さんの「畏敬の念を抱かせる大自然と対峙し、抗えないものに身を任せながら演技するっていうのは、僕にとって大変貴重な経験であり、大きな収穫でした。」というコメントがとても印象的だった。
・「旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ」(2009年)
西田敏行さんは、高校で福島県から上京してきた当初はともだちが出来ず、上野公園のゴリラが唯一のともだちだったという。この経験から動物が大好きで実在の動物園長に感情移入して演じられたそうだ。この撮影を通じて痛感されたのは「人間のエゴイズム」で、「じっさい僕らは自然とのつきあい方を忘れていますね。その点は動物から学ばなければいけないんです。」という。同感。
Posted by ブクログ
面白かった。釣りバカ、池中玄太など西田さんが出ている作品が好きなので、とても興味深く読めた。
まだ見ていない西田さんが出ている作品を少しづつ身始めたい。