【感想・ネタバレ】ケルベロス【特別版】（イラスト付き）のレビュー

真式マキ / 葛西リカコ

【特別版／書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録！】
身体で犯人を挙げるビッチ──ある事件のせいで、そう唾棄される美貌の刑事・瀬戸彰。だが彰は悪評など意に介さず独りで殺人事件の容疑者『肩に傷のある男』を追っていた。そして経済ヤクザの大物・織宮水樹に目星をつける。彰は男の身体に証拠を見つけるため単身事務所に乗り込むと裸になれと織宮に迫る。けれど男には鉄壁のアリバイがあった。「さあ、瀬戸刑事。覚悟はいいか」面白がるように低く囁く織宮に抱き竦められた彰は……!?

[ブクログ · ★★★★★]

とても好きなお話し。経済ヤクザとトラウマがある警視庁の刑事。ある事件をきっかけに2人は知り合い、彰の暴行された時のトラウマをセックスで上書きする遥。直接的に愛を語らない2人の関係を周辺の発言や言動で表していて、職業や性格に合っているので秀逸に感じた。でも遥の愛情が感じられて良かった。背景の事件となった殺人事件もよく練られていて面白かった。

[ブクログ · ★★★★☆]

過去の事件が原因で、人を信用出来なくなった彰。それでも刑事という仕事を辞めなかったのは何故だろう。と考えてしまった。自分の出来ることをしたいという強さな気もするし、これ以上自分自身を否定したくないという弱さな気もするし...。どちらもなのかも。とも思った。
そんな彰のことを気に入り、甘やかそうとする織宮は視ていて楽しい。織宮と一緒にいるときの、警戒心の強い猫みたいな彰も。