【感想・ネタバレ】狂気の沙汰もアイ次第のレビュー

あらすじ

宇宙人により遠く離れた星まで拉致された、山口健次ほか地球の男女7人。彼らは宇宙人から「《アイ》を理解するために、あなたたちを観察する」と宣言される。脱出不可能な集団生活の中、皆に与えられる水分は「飲むと人を殺したくなる水」だけ。当初は、殺人衝動なんて理性で抑えられると自分に言い聞かせていた山口だが──。人は水を飲まなければ乾き、飢え、死ぬ。 理不尽な絶望の中に見つけたわずかな希望とは? そこに賭けた山口のたどり着く結末は? 殺したくない! 殺されたくない! 衝撃のサスペンス・ストーリー。

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Posted by ブクログ

暗鬼館ならさっきまで読んでた本(インシテミル)だし、リアル脱出ゲームなどの聞き覚えのある作品の名前が出てきて登場人物たちに親近感が湧いた。
フランケンシュタインではなく、「フランケンシュタインの怪物」というのはさすが。

マダナイの認識では殺意を欲望、愛を理性ととらえている節があるように思うが、自分は愛も殺意も欲望としてとらえていたので意外。
確かに殺したいという「欲望」を、大切な人を守りたいという「愛情」で押さえつけることはできるか?ということなら分からなくはないが……。
それなら別に愛じゃなくてもいいのでは?

途中までは面白かったが、最後の超展開に唖然。
確かにノックスの十戒を出すまでもなく未発見の毒薬や難解な科学的説明の必要な期間が犯行に用いられているんだし、仕方ないのかもしれない。

ただ、宇宙人たちの宇宙人ジョークは面白かった。
なんやかんや言いながら地球の作品を面白くオマージュしていて、すごいと思った。

途中の「I love you」の和訳の話は好き。
夏目漱石は「月が綺麗ですね」と訳し、二葉亭四迷は「愛」という言葉を「真でもいいわ」と訳したなんてロマンティック。
ただ、健次なら「明日の月は綺麗でしょうね」の方がいいのかもしれない。

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2017年03月27日

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