あらすじ
彼の名は透。小説家の西山浩一は、自作の登場人物・トオルにそっくりな彼に思わず声をかけた。17歳、端正な容姿、生意気な口調、そして同じ名前。運命的な出会いに浮かれていたが、似すぎていないか? ある時、トオルに怪我をさせたら透は包帯を巻いて現れた。小説のラストでトオルは死んでしまう。西山はだんだん怖くなってきて…。表題作[とおるの話]ほか、全4編それぞれにかきおろしを加えた三崎汐初期作品集。【収録作品】『喪失につき、』『泥中のはちす』『僕は行くよ』『とおるの話』
感情タグBEST3
超名作だと思います
短編集で4作入っています。どのお話も三崎ワールド全開、温かくてほんのりビターで印象的でしたが、「僕は行くよ」がなかなかすごいお話でした。世間一般的にはストーカーの括りになるのかもしれませんが、自分を受け入れないものに対して敵意を持たないところが、いわゆるストーカーとは違うのかなと思います。まぁとにかく純粋で健気で可愛くてつい応援したくなるんです(笑)でもただ天真爛漫なわけではなくて、誰かに好きになってもらいたい、愛されたいと願う気持ちの強さが切なかったりもします。誰にでも好きだのなんだのうそぶいて生きてきたような攻も、これはもうオトされるしかないでしょうね(笑)なんだかんだナイスなカップルでした。
結末が気になる四作品
①記憶喪失もの。切なくてかわいい作品。
②ノンケの彼氏がお見合いすることになって‥実はしっかり両思いで良かった。
③ヤリチン男とストーカーの懲りないお話。クズとサイコパスで気持ち悪いけどお似合いかも。
④小説家と美少年高校生。執筆中の主人公のイメージどおりな高校生に出会い、小説と現実がリンクして執筆するのが怖くなり‥意外にもかわいいお話で読後感良し。
絵は幼い印象ですが、短編とは思えないほど中身の詰まった四作品。凝っていて読み応えがありました。