あらすじ
柳刃包丁に胸を刺されて殺された名門男子高生。彼の死後、優等生の顔に隠された不審な交友関係が明らかになる。その死の理由にたどり着いた時、切ない真実が明らかになり――。どんでん返し満載の青春ミステリー。
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Posted by ブクログ
スクールカーストのてっぺんにいる人達のお話なので、現実味が薄いマンガみたいな感覚で読みましたが、実際にあったらとても怖いけど、あるかもしれないなと思えるのはこの作者の力なのかなと思います。
警察が取調べで真実に迫っていくところが面白かった。最後、クローゼットの意味がわかると、ああそういうことね、となるがこれは予想できない角度だった。偽証のモチベーションはこれだったのかと。
途中の「負けるなって小さな声で呟いた」が秀逸。
Posted by ブクログ
最初は、登場人物全員好きになれないと感じた。
調子に乗った高校生。危ういなぁ。
こういう子、まぁいるだろうね。
と思いながら読んでいた。
読者は警察より背景に詳しいので、事件の全体像から(きっとこういうことなんだろうな)となんとなく掴めるので、ミステリーの謎感はあまりない。
警察が、高校生たちの嘘を見破ってなんとか事件を解決しようと奮闘する様子をハラハラ見守るスタイル。
それが終盤一変する。
犯人については思った通りだったけど、動機は全然違った。
フーダニットよりはホワイダニット。
冒頭の1ページが、後からガツンと効いてくる。
みんな切ないなー。
Posted by ブクログ
面白い。思春期の少年少女の危うさ、苦悩、そして怖さを丁寧に汲み取っている。一気読みでした。
あらすじ(背表紙より)
男子高生の刺死体が、青山の路上で発見された。被害者は近隣の名門校に通う17歳、原田聡吾。美形で成績優秀、評判の優等生だったが、恋人の敷島亜子は、生前に彼が凶悪犯罪に関与していたとの情報を得る。同級生達の証言は食い違い、亜子は聡吾の親友から、警察捜査を妨害するよう指示された。彼は、聡吾は幼い頃に自分と交わした約束を守るため死なねばならなかったと言うのだが…。どんでん返しが冴え渡る、青春ミステリ。
Posted by ブクログ
タイトルからは想像出来なかったストーリーと驚くような展開が待ち構えているミステリー。ヒキタクニオが描く若者たちはリアリティがあり、とても創作とは思えない。
青山の路上で発見された男子高校生の刺殺死体。被害者の名門高校に通う17歳の原田聡吾の身に一体何が起こったのか…原田に関係する同級生たちの怪しい行動の先にあるのは…
老若男女問わず、如何なる犯罪が起きようと、もはや不思議ではない程に病みに病んだ現代の日本。こうした現実を背景に描かれるミステリー。警察と高校生の知恵比べという見所もあるが、総じて恐ろしさと共に嫌な後味を残す物語だった。
Posted by ブクログ
なんとか殺人事件といタイトルの本は基本的に買わないのだけど、こどもの城との違和感で購入。
実際にこんな事やってる賢しい高校生も居るんじゃないかと思う話もあり恐怖を感じる。
殺人事件そのものは、更に人の心の根深い部分に起因するのだけど、結果、登場する高校生は誰も救われない。
Posted by ブクログ
"嘘"をテーマにした一冊といって良いのだろうか。
17歳の高校生達による、薬物、殺人、と同性愛、純愛による苦悩。
ヒキタクニオ氏らしい、ネタ回しとカメラワークというか視点の運び方。
セリフが時にVシネ臭いところも散見するが、氏らしさが変わらないので素晴らしい。
かつて、キレる17歳が社会問題になった時期があったが、昨今のスクールカーストから闇社会へのシフトが鮮明に描かれている。
誰か、何かを守る為に吐く嘘。
死して尚、貫こうとする嘘。
葛藤という言葉がしっくりくる。 『解法少女』に次いで、青少年達を題材にした一冊。