【感想・ネタバレ】野良犬たちの街のレビュー

あらすじ

施設で育ったハーフの武生は、ウリの仕事をしながらいつかアメリカに父親を捜しに行くという夢を抱いて生きている。そんな武生の前に現れたのは、全国でも有名な暴力団の幹部・結城。結城は五年前の抗争で妻子を亡くして以来、明日が見えない毎日を死んだように生きていた。結城の奥底に見え隠れする優しさと虚無感に次第に惹かれていく武生。だが、武生と結城の前に、過酷な暴力団の掟が立ちはだかって―――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最近の作品は、特徴とも言える過酷で非情な描写が激減して、カタルシスを求めていた者としてはもの足りなく思っていたんですが、久々にこれはそっち路線でした。うん、やっぱりこういうのがいいです。それにただバイオレンスと陵辱だけじゃなく、心情面でも細やかに丁寧に描かれています。メインの二人だけではなく周囲の人物も個性的でただのワルとしてだけではない弱さや影の部分も描かれていて、舞台も頻繁に移動していて、話にすごく広がりがありました。

抗争で妻子を失い生きる意味を失っている893の幹部、結城と、他の男に体を苛まれながらも希望を胸に秘めて生きている武生。この二人が運命的な出会いをして、互いの人生に影響しあっていくことになります。
もちろん、893の世界中心に話が進むので、893の囲われものだった武生はヤクに関するいざこざに巻き込まれ、想像通りの痛い目に遭ってしまいます。
結城は、最初武生と出会った時には人生に疲れ果てた男として登場しますが、スイッチが入ると豹変して残酷さを顕わにする怖さがあります。そんな結城を怖がりながらも次第に惹かれていく武生。そのきっかけが、結城の線香くささなんです。線香の匂いに死を連想して、死んでほしくないという切実な思いに変化していくんです。抹香くさい攻っていう萌えは初めてだけど、なんか納得。

痛いシーンもそれなりにあるのですが、受のピンチには期待通りの結城の救出があるので、がっかりしない程度に安心して読めます。
オトシマエのつけ方なんかはまさに昭和の893なムードで、地味に漢を感じさせられました。

エロ的には陵辱から甘いのまでいろいろ。武生は決して女々しい受ではないけど、ベッドではとってもかわいくて萌えます。

エピローグは胸に迫るものがありました。ちょっとやられました。あの終わり方で結城と武生の希望ある未来が見える気がして、すごくよかった。

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2011年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヤクザもの

生きたい男と、死に場所を探す男のお話
今回結構痛いシーンがあるんですが…
何となく、壮絶感が無いのは挿絵がやまかみさんだからかな?

レイプシーンがあるので、好みは分かれるかと…

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2011年11月03日

Posted by ブクログ

ハーフの武生は会ったこともない元米軍兵である父に会いに行く資金を稼ぐ為上京したのだが、食べる事にも困っていた時に佐竹の情夫にさせられる。
佐竹はヤクザで嫉妬深く武生が出かけられないようにと小遣いも渡さない。仕方なくウリをしてお金を稼いでいた武生が深夜のカフェで偶然相席を勧めた相手は暴力団幹部結城だった。
佐竹の仕出かした事で拉致され、暴行され、ビデオにも取られあわや殺されそうになった時に救ったのが結城だ。
それからは結城マンションに幽閉される日々だったが、結城の過去を知りそして組での結城の立場が悪くなっている事を知り動き出す武生。結城の為に薬のありかを突き止めようとするが。。。
こちらも割とさらっと読めました。

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2011年11月03日

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