【感想・ネタバレ】町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクトのレビュー

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Posted by ブクログ

地方創生プロジェクトの中でも常に名前があがるオガール紫波。
どうやってこのプロジェクトが生まれ、成功したのかがこの一冊を読めば非常によくわかります。
元URの方を始めとして豊富な経験者が集まったことはもちろん、何よりもこのプロジェクトに熱意を持った方々がこれだけ集まったことが成功の一因なのだと感じました。
本書にも記載がありますが、地方行政が手掛けるプロジェクトは豊富な(最初だけの)資金源から大々的に作られるも、コスト的にも集客的にも持続性のないものが作られることが非常に多いですが、オガール紫波は数十年先も続けられるかという観点から考えられていることが素晴らしいです(これは民間の商業施設や文化施設にも言えることですが)。
これだけの熱意を持てる故郷があることは幸せなことですよね。

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

2日で読み終わった名書。
持続可能性な社会(SDGs)、カーボンニュートラルなど2〜3年前から耳にする事はあっても良く分からないと言うのが実態でした。

岩手県紫波町を舞台に民間主導で発足したオガールプロジェクト。民間主導の街づくりに対し行政は?そこに住む住人は?何を求めているかのリサーチ力、色んな方々をプロジェクトに賛同して貰う為の熱意。住んでる町に対して誇りを持てるようにモデル化されている所に心打たれた。コロナ明けたら実際に紫波町に訪れて見たい。

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2021年07月04日

Posted by ブクログ

「新・建設業 まちを創る会社はこうしてつくる」の中で紹介されていたので読んでみた。
町づくりってこうやるんだ!というお手本がここにあった。
マスタープラン(プロジェクト全体を見渡せる俯瞰図)の大切さ、いろいろな専門家の力を借りることの大事さ、その専門家にワクワクさせるプロジェクトであること等、読んでいて引き込まれました。
自分も、人の役に立てる仕事ができるよう精進しなければ…

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2020年11月30日

Posted by ブクログ

普通のまちづくりとファイナンスが圧倒的に違った
誰かが俯瞰して全体をコーディネートする人が必要だと感じる
ナショナルチェーンの排除が生き残る鍵か?
これからのまちづくりは不動産と切っても切れない

ものすごく参考になるの本だった。
今後の仕事の手本としたい

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2017年09月20日

Posted by ブクログ

仕事に関連して、購入
新たな手法、新たな視点…
大変勉強になった。いつの時代も、やはり大切なのは「人間」なんだと痛感。

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2017年08月06日

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2月に思いがけず見学させてもらったプロジェクトの裏側を、改めて学ぶことができました。事前段階からじっくりと練り上げられた方法論がすごい。行政感覚もわかっている民間と、民間感覚もわかった行政が組むと、本当にパワフル。

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2017年03月30日

Posted by ブクログ

紫波町を、自分たちの町を将来にわたって永続的に続く住みよい町にするためにはどうするか、町や住民、関係する全ての人たちの共通のビジョンを確立し、様々な課題に直面しながらも、その心意気に賛同するプロフェッショナルを巻き込みながら、ひたむきに前進して行く。その志に心意気を打たれました。仙台市のような大きな街で同じようなプロセスで街を住みよい魅力あるものにそていくことは不可能だと思いますが、その志を持って明確なビジョンを持ち、皆が一つなって取り組んでいけば、仙台らしい魅力溢れる街づくりが必ずなされるものと思います。まずは自分自身にできることから、志を持って取り組んで行きたいと思います。素直にそう思わせていただいた本でした。紫波町に実際に行ってみようと思います。

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2017年01月17日

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オガールプロジェクトの全容を知るために読んでみたが、携わった人に敬意しか湧かない。壮大とも思えるプロジェクトも一つ一つの積み重ねの結果。「オガールプロジェクト」という幹がしっかりしているからその枝葉の施策が一体的になってるし、本来のまちづくりってそういう思想が重要なんだなと改めて認識させられた。

あとがきにあった、「地方創生、地域活性化、まちづくり、が言葉遊びに見える」というのもその通り。コンセプトだけ立派でもダメで、プロセスと結果が重要。

何が欲しいと町の人に聞くと「マクドナルド」や「ディズニー」と返ってくるので、どういうことをしたいか、ということから理念を共有していくのは大事だなと思った。

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2023年04月30日

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オガールプロジェクトの斬新さは、「稼ぐインフラ」という異名をとるほどのファイナンスの構造にある。
(引用)町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト、著者:猪谷千香、発行所:株式会社幻冬舎、2016年、106

皆さんが町長なら、10年間も塩漬けにされ、一銭も生み出していない町有地をどのように活用していくだろうか。岩手県盛岡駅から電車に揺られること20分ほどで紫波中央駅に着く。まだ、自動改札機が導入されていない駅をくぐり抜け、目の前の信号を渡ると、眼前に「オガール」が広がる。

「オガール」とは、紫波(しわ)の言葉で「成長する」を意味する「おがる」と、紫波中央駅前(紫波の未来を創造する出発駅とする決意)とフランス語で駅を意味する「Gare」(ガール)を合わせた造語だ。私がオガールを知ったのは、10年ほど前になるだろうか。既にオガールの存在は、全国のまちづくり関係者に知られる存在であった。なぜ、オガールは、まちづくりの成功事例として注目されるのだろうか。当時、私は、オガールプロジェクトのキーパーソン、岡崎氏の講演を拝聴したことがある。講演の内容を聞いて、衝撃を受けたことは、「行政からの補助金に頼らない施設運営」であった。その衝撃から10年ほど経ったが、未だ、オガールは全国から注目されている。今一度、何故オガールが注目されているのか。改めて、猪谷氏による「町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト(幻冬舎)」を拝読させていただくことにした。

本書を読んで、まず気づかされるのは、「公民連携」である。行政は、公平性・公正性の立場から民間との連携に後ろ向きであった経緯がある。しかし、現在はPPP、つまり行政(Public)が行う各種行政サービスを、行政と民間( Private )が連携( Partnership )し、民間の持つ多種多様なノウハウ・技術を活用することにより、行政サービスの向上、財政資金の効率的使用や行政の業務効率化等を図ろうとする考え方や概念が主流となっている。

その公民連携の先駆けとして、当時の藤原町長をはじめ、オガールのキーパーソンである岡崎氏は、他の自治体に先んじて、いち早く行政と民間との連携に目をつけた。そして、紫波町の職員とともに、岡崎氏は東洋大学大学院経済学研究科に通うことになった。その東洋大学で、岡崎氏は、「恩師」と呼ぶ人物と出会うことになる。客員教授の清水義次(よしつぐ)氏である。そして、紫波町にオガールが誕生するに至ることになる。

以前、私は、清水氏にもお会いしたことがある。お会いしたのは、東京の千代田区にある3331 Arts Chiyoda。ホームページによると、この施設は、旧千代田区立練成中学校を改修して誕生したアートセンターである。2010年の開館以来、現代アートに限らず、建築やデザイン、身体表現から地域の歴史・文化まで、多彩な表現を発信する場として、展覧会やトークイベント、ワークショップなどを定期的に開催している。また、地域住民や近隣の子どもたちとのアートプロジェクトの実践や地域行事への参加なども当館の重要な活動のひとつとなっている。実際、3331 Arts Chiyodaを訪れてみると、中学校の手洗い場などを残しつつ、懐かしさと新しさが同居するような、新たな空間が誕生していた。その清水氏から、私は「リノベーション」という言葉を教わった。「リノベーション」とは、既存の建物に対して新たな機能や価値を付け加える改装工事を意味し、単なる「改築」とは異なる。清水氏は、リノベーションにこだわったまちづくりを進め、当時から行政の補助金に頼らない運営をしてきた。

当時、紫波町におけるオガールプロジェクトは、議会を始め、公民連携手法で町の広大な空き地を活用していくという理解が得られなかったという。しかし、潮目が変わったのは岩手県フットボールセンターの誘致ではなかろうか。当初、岩手県サッカー協会からは、盛岡市、遠野市などが手を挙げており、紫波町は5番目であった。しかし、岡崎氏と当時の藤原氏の戦略により、最終的に紫波町に誘致することができた。その誘致は、人を呼び込むことによって賑わいをもたらし、「エリア価値」を高めることにつながる。そう、清水氏や岡崎氏らは、「エリア価値を高める」ことを最重要視する。

冒頭、オガールが「稼ぐインフラ」と異名をとると紹介した。「稼ぐインフラ」とは、これまでの補助金ありきだった公共事業をファイナンス主導に切り替え、公共インフラに「稼ぐ機能」を付加して、公共サービスの充実を図るという新しい考え方だ。

本書では、ファイナンスのスキームについても一部紹介されているが、私が感心したのは、絶対家賃の考え方であった。絶対家賃とは、どんなに立派な建物を造っても、借り手側はこれだけしか払わないという基準だ。紫波町の絶対家賃は、市場調査により、共益費込みで坪単価6,000円であった。そこで岡崎氏らは、坪単価6,000円の家賃で10年以内に配当金を出せる投資額を見つけること。そして6,000円以内の家賃ではじき出される建設単価が税込で1坪38万円。つまり、38万円以内で建物を造ることを目指したという。よく公共の事例では、そこまで計算できていないケースが多々見受けられる。例えば、オガール紫波の隣の県、青森市の青森駅東口前に立地する複合施設「アウガ」の経営破綻は、私達の記憶に新しいところだ。公民連携とは、単なる民間資金を活用することではない。私は、民間マインドを取り入れ、民間スキームや資金を活用し、新たな公共的サービス価値を生み出すものだと再認識させられた。

以前、オガール紫波にも携わった日本の社会起業家、まちづくり専門家の木下斎氏に言われたことがある。その言葉とは、「補助金は麻薬」であるということだ。つまり、行政からの補助金頼みでは、まち全体が“甘え”に走り、上手くいかない。財政難で多くの自治体が苦しむ中、あまりにも先駆的な取り組みであったオガールプロジェクトは、まちづくりをする上で、他の自治体にも認知されはじめ、ようやく一つのスタンダードに成り得た。

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2022年04月30日

Posted by ブクログ

ボリュームたっぷりだった。
誰がどんな熱を持って革新的な行動をしたか、苦労したかが少しわかった。
こんなすごいことしてますよーって着飾る感じがなく、情報も豊富で良かった。
ゆえに読むのが大変でした。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

2020.11.30 オガールの誕生の概要と公民連携の事例を学ぶことができた。このような素晴らしいプロジェクトを参考に、他で進めていくのはのはかなり難しいかもしれないが、それくらいじゃなければ上手くはいかないのかもしれない。公民連携、地方創生などなど、様々な課題を一気に解決したオガールだが、根っ子にあるのは人の力や熱意、持続力だと感じた。

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2020年11月30日

Posted by ブクログ

岩手県の紫波町、全く知らなかったが、まちづくりで大成功している町らしい。理念と仕組みとデザインと自給自足できるエネルギー、そういったものがまちづくりには必要なようで、まさに国家百年の計といった考えが必要。将来どこに住もうかといったことを考えたときに、どういう姿勢でまちづくりをおこなっているか、その町の思想みたいなものを把握することは大切だと思わされる。

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2016年12月05日

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