あらすじ
東京都某所の隠れた名店、居酒屋「とりい」には神様の探偵さんが居着いている――。金髪碧眼にライダースジャケットを羽織った酔っ払いのロクデナシ美女、葛城コトハ。その正体は、古代より託宣の神として祀られた「葛城の一言主の大神」の成れの果て。暖簾という名の「鳥居」をくぐり、御神酒代わりのビールと焼酎を報酬として振る舞えば、彼女はどんな難題でも答えを導いてくれる。――ただし、受ける依頼は、「一言」だけに限ります。ポジティブ&脳天気な元神様と、苦労人の店主が織りなす、季節の料理と日常の謎をどうぞ。
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Posted by ブクログ
楽しかった~。
コトハと雄里の掛け合いに、大笑い。
最高のコンビだわ。
コトハの鎖が解けた時のことが気にはなるけれど、
しばらくは、ああしてあの居酒屋とりいで探偵を
やっていてほしい。
お酒が報酬だなんて、しかも、雄里の居酒屋で
おいしいお料理つき(笑)
もたらされる事件は、物騒に見えて、実際はそう
でもないし。
笹部さんの正体にはコケた(笑)
何気にただ者じゃない妙さんもいい感じ。
とりいを開いた経緯も、詳細が知りたいし、何より
コトハたちにまた会いたいので、シリーズ化希望。
Posted by ブクログ
読書録「カミサマ探偵のおしながき」3
著者 佐原菜月
出版 メディアワークス文庫
p50より引用
“「どの道を行こうが、進まなかった
道を振り返り悔やむのがヒトという生
き物だ。進んだ先が正しかったと感じ
ることすら所詮は結果論でしかな
い。ーだから、己が決めた方向へただ
進み続けるしかないんだ。」”
目次より抜粋引用
“始の膳〜名無しの神と少年の
おにぎり〜
春の膳〜親子と疑惑と迷い子の
きずし〜
夏の膳〜嘘と本音とお袋の味〜
秋の膳〜菊と約束と不思議な
レシピ〜
冬の膳〜美人と締切と忘れられない
忘年会〜”
元神様と居酒屋店主を主人公とし
た、日常系ファンタジー短編連作ミス
テリ。
料理の味わいと雰囲気の良さから、
知る人ぞ知る人気の居酒屋
「とりい」。若き店長の主人公・御所
雄里はその日の営業を終え、暖簾を
下ろそうとしていた…。
上記の引用は、もう一人の主人公・
葛城コトハが雄里の過去と今を振り
返って言った台詞。
過ぎたことはそれとして、今を何とか
前を向いて歩いていければ、もうそれ
でいいと思うように、最近なりまし
た。
日常の困りごとを解決するタイプの
ミステリで、終始穏やかな雰囲気で話
が進む作品です。
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Posted by ブクログ
飲み屋『とりい』で合言葉を伝えると
なんでも解決してくれる探偵が出てくる。
主人公の周りは、うっかり頭を叩きたくなるような
愉快な存在が多いな、と思える連続短編、でした。
唯一つながりが、というか、別場所で解決しているのが
最初の話の依頼かと。
結局そんなものだよな、です。
家族愛的なものがちらほらと出てきているので
それが全体の軸、だったのかも知れません。
犬のごはんも面白かったですが、一番想像して面白いのは
追いかけっこをする羽目になった、教授と秘書、かとw
Posted by ブクログ
本来の力を失った神様と人の青年との物語は、最初ちょっと「神様の御用人」を連想してしまったけど、中身はかなり違った。
いわゆる軽ミステリー。
元・一言主神のコトハが探偵で料理人の青年がワトソン役なんだけど、ぶっちゃけ、その設定が全く生かされてないよなあ。
謎解きにコトハが神様である必要は全くないし、折角女性なのに男言葉もあって、別に男でもよかったんじゃないだろうか。
いやまあ、物語としてはちゃんと楽しめるので、良いんだけど。
なんだか、ミステリーとしても神と人との関係を描くにしても、もう一つ中途半端になってしまった気がする。
そこが残念かな。