【感想・ネタバレ】たまさか人形堂物語のレビュー

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ネタバレ

佳作。
少しだけコメディ、少しだけハートフル、少しだけブラックで、少しだけ温かくなれる。
人形は怪異という観念だけではなく、それ以前に工芸品だということを忘れてしまいそうになる自分に気づいた。
しかし津原氏は、本当にそつなく文章を仕上げるな。まさに職人。

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2016年07月14日

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ネタバレ

祖母の形見の零細人形店を継ぐことになった澪。押しかけ従業員で人形マニアの冨永君。謎の職人師村さん。
「あきらめてしまっている人形も修理します」という広告をみて、傷ついた人形を抱えた人々が「たまさか人形堂」を訪れる。

日常ミステリーの雰囲気を持つ一冊でした。
人形がテーマの小説って、思えば本当に少ないかもですね。津原さんの作品も初めてです。少しわかりにくく感じる文章もありましたが、おもしろかったです!
人形についてかなり詳しく書かれてあって興味深かったです。
冨永君というキャラクターがかなりツボです。「恋は恋」で一番感じた、(他の章でもちょいちょい感じる…)冨永くんの持つ陰の性質。これから明かされていくのでしょうか。気になります!

ひょうひょうとした冨永君も穏やかなシムさんも何かしら影があるようなのですが…澪さん、冨永君、シムさんのやりとりがとても楽しいです。澪さんがとても苦労人。
そして誰もつっこまないのだけど、シムさんがテディベアのことを熊ちゃんと普通に呼ぶのがとてもかわいいです(笑)

「毀す理由」
「恋は恋」
「村上迷走」
「最終公演」
「ガブ」
「スリーピング・ビューティ」

の6つの短編が収録。テディベア、創作人形、ラヴドール、竹田人形、大浜人形、人形浄瑠璃の人形、マリオネット…いろんなタイプのお人形が出てきて、勉強になります。「最終公演」の作風が他のものとは少し違っていて、それもまたおもしろいです。

最後はどうなっちゃうのだろうと思いましたが…、とりあえず、冨永くんぱねぇ!(笑)
続編がないと少し消化不良に感じる終わり方でした。
ので、続編が早く読みたい!

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2015年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

他の津原さんの作品とは趣きが異なる内容で、
ほのぼの感がある平和なお話(人死んでたりしますが・・)でしたが
とっても面白かったです。

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2012年05月12日

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ネタバレ

■祖母の形見の零細人形店を継ぐことになったOL澪。押しかけアルバイトの人形マニア、冨永くんと謎の職人、師村さんに助けられ、お店はそこそこの賑わいを見せていた。「諦めてしまっている人形も修理します」という広告に惹かれ、今日も傷ついた人形を抱えたお客がやってきて澪たちは東奔西走することに。チームワーク抜群の3人の活躍が始まる。■


津原泰水はバレエ・メカニックしか読んでいない。なので壮大で残酷な幻想劇を書くというイメージしかなく、このようなあらすじを読んでまずびっくりした。

内容としてはキャラクター・その関係性がとても心地良く感じられた。何気ない問答からそれぞれに起こる事件にまで、見え隠れする人形への造詣が興味深い。和やかな空気感は、絶えず緊張感を強いられたバレエ・メカニックとは裏腹で、頁を気軽に捲っていった。

その分、殺人が起きたときには驚いた。非現実感に落とされるような結末にも。おそらく僕の期待の仕方が間違えていたのだろうが、僕はこれらを"不穏"と受け取ってしまい、思うように楽しむことが出来なかった。

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2011年10月30日

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