【感想・ネタバレ】夏休みの拡大図のレビュー

小島達矢

小学校からの幼なじみである親友のちとせが、実家から引っ越すことになった。百合香は片付けを手伝いながら、これまでに学校で起きた「事件」を振り返る。ちとせのあざやかな「推理」を聞いていると、ほとんどが百合香の思い違いや思い込みであったことに気づき愕然とするのであった。『ベンハムの独楽』でデビューした著者が描く鮮やかな青春ミステリー。

[ブクログ · ★★★★☆]

離れて暮らす決意をした親友の引越しの手伝いの数時間の話。
小学生、中学生の思い出にまつわる謎を解き明かしていくのだが、謎自体はそんな複雑なものではない。それよりも3人の女の子の心の内を鮮やかに見せてくれる所が見事。憧れ、嫉妬、わだかまり、優しさなど謎は氷解していった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

高校を卒業し就職で一人暮らしするために引越しの準備をする部屋で繰り広げられる日常ミステリー短編。
過去のエピソードが記憶通りでないことが明らかになっていく様は嫌いじゃない。でも、所詮小中学校時代のエピソードなので、甘酸っぱさは感じるものの、奥深さが足りない気がする。