恋愛はなんだか「イライラ」する。
「好き」という気持ちと同じぐらい、「イライラ」する時がある。
その気持ちを、明確に描いている作品に今まで出会えなかったので、
『中学聖日記』を読んだ時「うわ、わかる」という気持ちでいっぱいになった。
聖ちゃんはかわいくて、おだやかで、おっちょこちょいで、無自覚な色気がある。
つまり、同性に嫌われがちな「モテる女」。そんな彼女が中学校に教師としてやってきた。
生徒の一人、黒岩晶はそんな聖ちゃんにずっと「イライラ」していた。
若き中学3年生の男子は、その「イライラ」が、恋の始まりであるということも無自覚。
無自覚同士の二人は、互いに距離感をつかめないうちに、ぶつかって傷つけあいながら接近してゆく。
しかし、聖ちゃんには婚約者がいて…。
個人的には、晶と聖ちゃんの関係を知りながらも、晶に思いを寄せる同級生の岩崎さんが素敵。
恋愛の「イライラ」をコントロールしようともがく彼女を、私は全力で応援したい!
けれどそこに立ちはだかる、聖ちゃんという存在はあまりにも手強く、読んでるとつい「イライラ」…。
あれれ、もしかしてこれも恋…?
「年の差恋愛」の一言では片づけられない恋愛のリアル、覚悟して味わってください。
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晶は聖と会って自分の気持ちに気付いたと、るなに別れを告げる。
新しい学校でも晶との事が噂になり教師でいることにすがりたい聖は晶に関わらないでと電話をするが…。
心が揺れ動く描写が印象的でした。
大人びた晶の台詞が聖を悩ませます。