あらすじ
誰もが連続殺人事件に震えた、13歳のあの夏。わたしは大切なものを失った――ベストセラー『とらわれて夏』の著者による話題作。
あの夏、わたしはサンフランシスコ郊外を震撼させた連続殺人鬼と対決し、死にかけた。犯人を追う刑事の父を助けたくて、ある行動をとったせいで。もしもあの瞬間、妹がいてくれなければ、きっと殺されていただろう。そして30年あまりが過ぎた今、真相を知るのはわたし1人だけになってしまった――。70年代後半のカリフォルニアを舞台に、みずみずしくも危うい少女たちの夏を描いた話題作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
予想外に最後の最後まで事件が決着しなかったので全篇たっぷり不穏なムードを味わえた。
一方で子供時代の情景、家を出た父や堅い絆で結ばれた妹との奔放な日々への憧憬など、追想録としても飽きることなく楽しめて満足です。
Posted by ブクログ
ジョイス・メイナードって、「ライ麦畑の迷路を抜けて」以外にこんなの書いてるんだ?! あの彼女だったら、面白くないはずがない。
丁寧に展開される話は、現実に起きた犯罪に材を求めているだけあって、陰湿で重い。
それを追う刑事とその家族、2人の娘。
家族の物語であり、姉妹の物語でもあり、ローティーンの少女の物語でもある。
読み応え充分。
Posted by ブクログ
献本でいただいたものの、なかなか手がつけられず、なんと年を跨いでしまった…。
前半〜中盤、絞殺魔は登場するものの、事件というよりは主人公を取り巻く環境に焦点が当たっており、その描写が比較的長く続くので少しだれてしまうかも。
ただ、妹との絆や父親との関係性の描写が長く詳細になっているからこそ、結末に近づくにつれて起こる衝撃的かつ悲しい出来事により思いを入れて読み進めることができた様に感じる。
この本を閉じた時に、悔しさ・悲しさ・気付きによる嬉しさと色々な感情が込み上げてきた。
序盤や中盤では「早くストーリー進まないかな」とじれったい感情であったのに、物語全体の緩急が心地良かったと最後に感じることができた。