【感想・ネタバレ】信じない人のための〈宗教〉講義のレビュー

あらすじ

〈宗教〉なんて過去の遺物? あやしいもの? 怖いもの? そんなあなたのために、ざっくばらんな世界〈宗教〉ツアーをご用意しました。ご安心ください。何か特定の〈宗教〉へお誘いするようなことはありません。私もまたいわゆる〈無宗教〉の一人ですから。「〈宗教〉という言葉はやや漠然とした言葉です。この茫漠と広がる意味領域を大雑把にひっくるめて述べるとすると、〈宗教〉とはなんらかの制度として存在している、とでも言っておくしかなさそうです。そうした制度の別の側面は、人びとの意識のなかに現れるさまざまな世界イメージです。人びとは日々の暮らしのなかで世界イメージを自己のものとする努力を行なっています。この努力の世界に読者をいざなおうというのが本書の目的です」(はじめに)宗教家や宗教学者にはちょっと書けない、この脱〈信仰〉型の宗教案内で、私たち自身の偏見や怖れをも、このさい解きほぐしてみましょう。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

神をコカコーラの缶に喩えると、父、子、聖霊は、それぞれ缶の上面、底面、ぐるっと回った側面の三つに相応する、即ち三位一体。
この缶をテーブルの上に立てる、テーブルは人間世界、広い面上に救いを求める哀れな衆生がうごめいている、そこに神=コーラの缶が出現する、といったかたち。缶の底面と机との接触面がイエス・キリスト、この円い接触面は缶の底面-子なる神-として神に属するが、同時に机の面でもあるから、併せて人間界にも属し、キリストには神と人間の二重性があることに。

このように人間の歴史的世界という苦界-机の面-と神なる救済の原理-コーラの缶-との境界面にあるキリストは、たんなるシンボルでも絵物語の登場人物でもなく、歴史的人物であることによって救済のリアルな根拠が示される。キリストは人間であり、かつ神でもあった、ここに信仰の要訣がある‥、と。
          -2010.11.24

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2015年12月16日

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