あらすじ
物流を制するものがビジネスを制する――。物流は現在、経済全体に大きな影響を与える、極めて重要な存在だと認識されるようになった。ネット通販ビジネスが拡大し、私たちの生活に欠かせないものになった物流が企業の競争力を高める生命線となりつつあるいま、アマゾン、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など、各企業はどのような物流戦略を描いているのか。物流研究の専門家が、日本とアメリカを含めてその現状と課題を読み解く。
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Posted by ブクログ
ある程度内容は古くなっていますが
物流の歴史を知る意味では非常に良い本です。
今でこそ当たり前に翌日に届き、
当たり前のように通販は使われますが
その背景を見るにつけ、まだそこに従事する
人たちの改善はされていません。
それと少しだけある時代の某運送会社のお話に
触れられていましたが、バブリーな時代に稼げてたのは
本当のお話だったようです。
(知り合いの人がまさにその運送会社の人でした)
終章のネットスーパーは…
情報は少し古いかな。
今は結構メインで使われているので。
Posted by ブクログ
えらいひと推薦。
物流業界におけるドライバー不足問題と、日本の少子高齢化、ネットショッピングの利便性とを織り交ぜた内容。
宅配便ユーザーとしても、一企業に勤めモノを動かしているサラリーマンとしても、そして超高齢化社会:日本に住んでいる国民としても、考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
物流というと範囲が広大だが、成長著しいネット通販を支える宅配便と、それに関連するサード・パーティー・ロジスティクスを中心とした業界の歴史、現状、海外との比較、課題、展望といった宅配便まわりを網羅する一冊。去年読んだ「仁義なき宅配」(横田増生)とも少し内容がかぶるが、面白かった。ただ、ドライバー不足という物流業界の問題点を運送会社の過当競争に帰し、更にそれを物流二法の改正という規制緩和を原因とする見方や、高齢者等が近隣で食料・日用品を買えないという買物難民の問題についても、やはり大店法改正という規制緩和を原因とするのは、ストーリーを分かりやすくして新書という紙数の限られた中で説明するには便利かもしれないが、短絡的なように思う。
Posted by ブクログ
やや、とりとめのないまとめ方という印象はあるが、現代ではますます重要度を増している産業セクタである「流通」のアウトラインとキーワードを概観できた。
日本の国土構造と人口構成・年齢構成からみて、今後のあるべき物流は、よりサードパーティー的な力を借りつつ、マッチングを活用する制度的措置が必要となるだろう。
また、突飛ではあるが、電力やエネルギーのネットワークに対しては、どのような示唆がありえるのか、考察が必要。
Posted by ブクログ
ネットショッピングを例にとると、日本の消費者は物流面において恵まれすぎている。送料無料や翌日配送、日付指定や再配達が無料なのはどう考えてもおかしい。特に再配達は宅配便の配送車両の走行距離の25%を占めるという。
実際にはそういったサービスも加味された商品価格になっているはずで、そういったサービスを使わない人たちも実質的に費用を負担していることになる。また、日本の消費者のほうがアメリカよりも迅速性を求めているという。物流会社やそこで働く人たちの負担が大きすぎる現状は改善されるべきであると思う。
Posted by ブクログ
ネットスーパーの多くは店舗型だがイトーヨーカ堂はセンター型
配送料の設定方法が鍵
ヤマト運輸のまごころ宅急便:買い物代行&見守りサービス
インスタカート
Posted by ブクログ
止まらないネット通販(BtoC向けのみならずCtoC、BtoBも含め)の流れの中で、競争優位の大きな源泉となり得る物流に的を絞り、そこで起きている課題やテクノロジー・最新サービスの事例などを、物流研究者として知られる著者がまとめた一冊。
個々の内容はある程度の物流に関する予備知識がある人であれば大体聞いたような内容であり、さほど新しいとは言えないと思うが、その網羅性や専門家ならではの豊富な参考文献/リファレンスは有用。
物流に関してはサプライチェーン全体を跨いだIoTによる需要予測・配送効率の最適化や、ロボティクスによる自働化、ラストワンマイルの配送工程におけるシェアリング型サービスなど、色々な動きが同時多発的に出てきており、どれも引き続き注視していく必要がある。