【感想・ネタバレ】飛田をめざす者 「爆買い」来襲と一〇〇年の計のレビュー

あらすじ

古き佳き時代の遊郭の面影を残す伝説の歓楽街、大阪・飛田新地。営業許可がおりて一〇〇年となる今年、大きな変革が訪れた。全国の観光地、商業施設を訪れて大枚をはたく中国人たちの「爆買い」が欲望の矛先をこの街に向けたのだ。言葉の壁、嗜好の異なる「遊び」の仕方と対峙することになった遊郭と女性たち、そして節目の年を迎えたこの街はどう変わるのか――。元遊郭経営者で、飛田に女性を紹介するスカウトマンを務めた著者が描く知られざる実態。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中々興味深い。

筆者は意図していないのかもしれないが、経済学や経営目線で飛田という風俗街を切り取っていて面白い。
著名な学者や教授と組んで、風俗経営を真面目に書いたらもっと面白いと思う。単純な経営では〜という策を取るのが定石、しかし飛田の伝統では〜。なんて面白そう。本書では単純なルポになってるのでもったいない。

しかし最後の最後に明かされた筆者の家族関係も含めて、本書は編集の力量次第ではもう一段上の情緒深い作品になり得たと思う。
性風俗業界という必要悪の取り扱いに対しても筆者の視点は真摯に感じた。もっと視点を鋭くしてルポではない、社会学、経済学としてリパッケージして世に問いかけたい内容だった。

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2019年03月31日

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