あらすじ
和紙をすくときに使う糊、節分に戸口に魔除けとして使うもの、家紋の半分以上に使われているもの、どれも植物だ。食料や家屋にはもちろん、日常の道具や楽しみにも、植物は用いられてきた。エネルギー・材料両面での石油依存や原子力からの脱却を考えるためにも、自然を暮らしの中に取り込んできた先人たちの知恵を学びたい。
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Posted by ブクログ
タイトル通りの本ですが、色々な項目に分けられていて、多岐にわたって日本人が植物を利用してきたことがわかる。気になるところだけを読んでみても面白くて分かりやすかった。
Posted by ブクログ
ジュニア新書で発行するのは、昔の伝統を若い人に教えるというスタンスなのだろう。しかし、内容はかなり詳しい。人間は植物の生産力の恩恵を受けて生きているのであり、それをどのように利用するか、その知恵や技術を蓄積してきたのが文化である。著者は植物学が専門だが、内容は文化にも及んでおり、期待した以上に読みごたえはあった。
フノリは、石灰と粘土を混ぜたものに加えて漆喰の原料になった。
東北地方南部より暖かい地方では、シイやカシ、タブノキが主体の照葉樹林に覆われていたが、丘陵地では薪や炭焼きのために伐採が繰り返されたため、切り株から萌芽しやすいナラやカシが二次林をつくっていた。二次林の林床は明るいため、草本が多く生育し、それを食べる昆虫も多かったが、近年では伐採されることがなくなったため、照葉樹が戻り始めている。