あらすじ
「鉄道員魂」著者の唐池は、夜を徹して復旧にあたった自社の社員をこう評して、頭が下がる思いだと記した。熊本と大分を襲った大地震で運行を取りやめていた九州新幹線を、13日という短期間で全線運転再開を果たしたJR九州。JR九州の歴史は「逆境から立ち上がってきた」歴史でもある。JR九州の市場には首都圏も新幹線もなかった。そんななか、「ななつ星」「ゆふいんの森」「指宿のたまて箱」「あそBOY」といった「デザイン&ストーリー列車」、韓国・釜山と博多を結ぶ「ビートル」、行列ができる居酒屋・レストラン…。JR九州の大躍進は、鉄道の枠を超えてとどまるところを知らない。それは唐池恒二というリーダーの役割が大きい。機関車のように夢に向かって突き進むJR九州と唐池恒二は、なぜやることすべてを成功に導くことができたのか。そのすべてを本書では明かしている。日本の躍進を目指して立ち上がると決意したJR九州。その経営と将来からますます目を離すことはできない。笑いと涙と感動、そしてためになる。こんなビジネス書、見たことない。
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Posted by ブクログ
JR九州の元社長で現会長の唐池恒二さんが、国鉄時代から現在までの仕事を通して学んだ事をときに面白く、臨場感あふれる表現で綴っている。
自分が福岡に住んでいた2001年~2006年頃とは様変わりした博多駅に数回訪れた時、当時には感じられなかったすごい勢いを感じた。
きっとこれも唐池さんを筆頭にして仕事をする人々の「気」が我々に伝わっていたからなんだと納得しながら読んだ。
以前「やる!」と言う唐池さんの本を読んだが、これは聞き書き方式だったが、今回の本は唐池さん本人が直接ペンを持って(PCを使って)書いた本らしい。
そのため、聞き書きではライターが、面白いけど・・・と思いつつ自主検閲して削除してしまうような話も、随所にカッコ書きで表現されていて、厳しい仕事でも楽しむという事はこういう気持ちで取り組んでいくと出来るんだなと思った。
各章の最後に「私がこのころ学んだ事」が書かれており、1つ1つは悪く言えば平凡な事項な気がするが、実際に本の内容を読むと、その言葉にエッセンスが詰まった骨太の格言であることがわかる。
著者は、JR九州社内で無茶振りされまくって、でもそれを立派にやり遂げ、道なき道を切り開いた人なのだが、すごいと一言で言えばそれまでだが、例えば外食産業事業では、書店でめぼしい本を買い勉強したり、外食産業出身の社員を指導者として改革を推し進めるなど、実際はその道のプロと一緒に道を作ったのだ。
会社で仕事をする上で、チームで進めるという事を考えると、このような道の作り方が出来る人は、本当にすごい人だという事が良く分かる。
とにかく面白く一気に読んだ。
鉄客商売22の学び
・何事も前向きに考える
・意気に感じて取り組む仕事は結構うまくいく
・難局に直面したとき逃げずに真正面からぶつかっていくと必ず道は開ける
・進むべき方向とスケジュールを明確にすると人は迷わず行動する
・2メートル以内で語り合うと互いに心が通じるようになる
・「気」に満ち溢れた店は繁盛する
・ゆめは組織や人を元気にする
・経営方針はトップが自らの言葉で語る
・月次報告は現場席に社が手作りで作成する事に意味がある
・ネーミングは徹底的に勉強し、とことん考え抜いて初めてできるもの
・現場に行くと色々な事を教わる
・サービスとコストの両方の最適化が経営の目指すべきものだ
・サービス教育の先生役は鬼に徹するべし
・天教が最優先すべきことは、司令塔としての職務を全うする事
・何事も全てを貫く哲学=コンセプトが大事
・手間をかけ誠実に徹した仕事や商品はお客様を感動させる
・学んだことはすぐ実践に生かす
・人を元気にすると自分も元気になる
・デザインと物語はいい仕事には欠かせない
・行動訓練は「気」を集めるための最良の道だ
・日々の誠実で熱心な練習は本番で大きな成果を上げる
・「気」のエネルギーは感動というエネルギーに変化する
Posted by ブクログ
学び1 何事もに前向き考える。
学び2 意気に感じて取り組む仕事は、けっこううまくいく。
学び3 難局に直面したとき、逃げずに真正面からぶつかっていくと、道は必ず開ける。
学び4 進むべき方向とスケジュールを明確にすると、人は迷わず行動する。
学び5 2メートル以内で語り合うと、互いに心が通じるようになる。
てな感じで、22の学びが、それを生み出したエピソードとともに散りばめられている。
仕事とは、経営とは、サービスとは何なのか?いろいろな教唆が得られる本である。
唐池会長の語り口を通じて、JR九州がどこに向かうのかがとにかくはっきりしている。
そんなことを強く感じた良著でした。
Posted by ブクログ
知り合いからの紹介で本書を知り読んでみることに。
JR九州において、鉄道事業ではなく、営業販売課、船舶事業部、外食事業部、観光列車(D&S列車)などどちらかというと本業以外の部分でのご活躍で成果を出された方のようである。
てっきりJRでは、国や監督官庁とのパイプを持っている部署や運賃やダイヤを計画するような部署からトップが輩出されるものだと感じていたため、唐池さんの社内略歴を知った時には大変驚いた。キャリアのほとんどが、鉄道事業以外だからだ。
JRは一部の高学歴エリートが組織の仕組みを作り、ルール重視で合議的に組織を動かしていくというイメージを持っていたが、本書を読むと、著者がまるでオーナー企業のトップであるかのように観光列車のネーミングを決めたり、焼き鳥のグラム数、飲食店の坪売上や原価率を気にしたりと、オーナー企業の創業者といっても過言ではないふるまいをしている点が印象に残った。鉄道事業でキャリアの大半を過ごしていたら、JR九州の生え抜きの中にこんな個性的な人材は生まれなかったかもしれない。
JR東日本からりそなホールディングスへ移った細谷英二さんが他流試合を推奨していたことを思い出す。
アジアに最も近い鉄道会社として、アジアの成長ドライバーを取り込むことができた部分もあるだろうが、非上場だったからこそ、オーナー企業の創業者の如くリーダーシップを発揮することができたのだと思う。
Posted by ブクログ
業績好調なJR九州。
その会長であり、ななつ星をはじめとするこれまで数多くの企画を成功させてきた著者(唐池恒二さん)による回顧録的な一冊。
ライターの方による手助けなしで、自分自身で文書を書き上げた一冊だそうです。(p.246-247参照)
著者のユーモアあふれる文体により、あっという間に読み進めることができました。
著者が育ててきた人材が今後はJR九州さんを更なる発展に導いて行かれることでしょうね。
付箋は7枚付きました。
Posted by ブクログ
男子高校生の作文のような文体で読みやすくはある
著者からすごく昭和を感じる、仕事は超できるんだろうが…自信家だな〜
なおビジネス書として参考にはならない