【感想・ネタバレ】音楽入門のレビュー

あらすじ

真の美しさを発見するためには、教養と呼ばれるものを否定する位の心がまえが必要です――。土俗的なアイヌ音楽に影響を受け、日本に根ざす作品世界を独学で追求した作曲家、伊福部昭。語りかけるように綴られた音楽芸術への招待は、聴覚は最も原始的な感覚であり、本能を揺さぶるリズムにこそ本質があるとする独自の音楽観に貫かれている。「ゴジラ」など映画音楽の創作の裏側を語った貴重なインタビューも収録。(解説・鷺巣詩郎)


[目次]



はしがき
第一章 音楽はどのようにして生まれたか
第二章 音楽と連想
第三章 音楽の素材と表現
第四章 音楽は音楽以外の何ものも表現しない
第五章 音楽における条件反射
第六章 純粋音楽と効用音楽
第七章 音楽における形式
第八章 音楽観の歴史
第九章 現代音楽における諸潮流
第十章 現代生活と音楽
第十一章 音楽における民族性
あとがき

一九八五年改訂版(現代文化振興会)の叙
二〇〇三年新装版(全音楽譜出版)の跋

インタビュー(一九七五年)

解説 鷺巣詩郎

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Posted by ブクログ

まさに音楽の入門書。わかりやすくて面白い。
言葉の端々から著者の高い教養が伝わってくるが、それを鼻にかけるでもなく偉ぶるでもなく、ただただ懇切丁寧な説明がとても嬉しい。
かかっていることに気づいてもいなかった霧がぱっと晴れるような、そんな読書体験だった。

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2019年10月24日

Posted by ブクログ

作曲家、伊福部昭がエッセイ風に音楽史や音楽との関わり方を説く一冊。示唆に富みたいへん興味深く勉強になる。
注意点は、一般音楽入門ではなく「伊福部昭の音楽観」の入門であること。対象読者は入門者よりもむしろ、深く音楽に携わる愛好家や音楽家に思える。

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2022年12月29日

Posted by ブクログ

まずもって芸術を主観的現実の模倣と捉えるのはあくまでロマン主義の立場であって、芸術をわれわれの存在と分離して捉える即物主義というのが存在しているというのが知らなかったので目から鱗。

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2020年05月05日

購入済み

敬愛する伊福部先生の秀作

ゴジラ映画といえばこの著書の作者である伊福部昭先生を思い浮かべるのは私だけではないはずだ。この敬愛すべき秀才が現した書籍というだけでも欣喜雀躍しそうだが、内容も興味深い。

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2020年05月24日

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