【感想・ネタバレ】昭和三十年代主義 もう成長しない日本のレビュー

浅羽通明

「成長」が魅力を失ったいま、日本人が希求すべき生き方、それが昭和三十年代主義である――。日本人の希望と、日本が未来に生きる道を提示する、鬼才・浅羽通明の書き下ろし傑作評論。

[ブクログ · ★★★★☆]

本書の議論から逸れることを言うと、「もう成長しない日本」というよりは、もともと日本は成長する気がないように思える。自動車、半導体、スマホなどの物質面では劇的に変化したが、精神面では戦前と大差ないように思える。昭和三十年代を懐かしむどころか、戦前・戦中の日本を理想とする政党が政権の座について久しい。