【感想・ネタバレ】女性と子どもの貧困のレビュー

あらすじ

なぜ普通の主婦がヤミ金にまで手を出してしまうのか、なぜ普通の学生が奨学金を返せず借金地獄に陥るのか。シングルマザー、ヤミ金、奨学金滞納、40歳風俗嬢、無戸籍問題、医療ネグレクト、虐待、DV、ホームレス高齢女性、ワーキングプア、ネットカフェ難民……貧困と女性、そして子どもたちに、今、いったい何が起きているのか。新聞にも載らないような小さな“事件”も含めて一つひとつ丁寧に取材した渾身ルポ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

貧困というものは、そこにいない人には全く異世界の話で、想像もできないことなのだと思う。自己責任、怠けている奴ら、と遠く突き放す。でも、どうやらそんなこともなく、病気や失業、いつ自分にも何が起こるかわからない。全て、明日は我が身なのだ。知識があれば、冷静に考えられればいくらでも方法はあっても、追いつめられた人間は、そこに思い至らない。

「住む場所がなければ死ぬしかない」と、町営住宅の立ち退きを迫られて中2の我が子を殺害したシングルマザーは、生前、我が子が貧しさからいじめにあったり自己否定しないようにと、皆と同じようにスマートフォンを持たせ、アイドルのファンクラブに入ることにも賛成した。
子どもを育てるため、貧困から風俗へ手を出す母親も多い。赤ちゃんポストも、追いつめられた母親のセーフティネットなのだ。

この本に出てくる多くのことが、親身になって話を聞いてくれる人がいる、一緒に考えてくれる人がいるだけで、大事にならないで済む気がしてならない。他人事ではない。無関心でいてはいけない。そういう、自分のことだけでなく人を気にかける優しい気持ちを持つように心がけることが、貧困の連鎖や孤独を少しでも減らすことにつながるのだと思った。

胃が痛い。

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2016年05月07日

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