あらすじ
誰とも関わらず静かに暮らしたい――。 ひっそりと『お絵かき教室』を営む、武太一郎のところへ、ある音楽グループからCDジャケット用の絵の依頼が舞い込んでくる。しかし日頃から、子どもたち以外の人間と接することを嫌っている武は、その依頼をすぐに断ってしまう。だが、依頼主は簡単に諦めてはくれなかった。 「引き受けてくれるまで、先生の側を離れない」 突然現れた綺麗な青年、歌手の倉沢慎吾は、強引に人見知りの武に近づき、そのささやかな生活を乱し始める。10歳も年下の慎吾に、為す術もなく心も身体も翻弄されてゆく武だが、ある時、慎吾の重大な秘密を知ってしまい…!!
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Posted by ブクログ
千地さんの作品は読みながら引っ掛かるというか、所々突っ込みたくなる箇所があってストーリーに入り込むのに少し時間がかかる。でもキャラの魅力が自分にハマッてだんだん引きずりこまれるとグイグイ読まずにはいられない引力を発揮する。
今作はかなりファンタジックだったなぁ(笑) 実際にはあり得ない設定で、でもそれがあり得ることが大前提のストーリーだから、そこの違和感を乗り越えられれば楽しめると思う。
※ 私が気になったのは、生まれつき色盲なのに『黄色』がどんな色か理解しているのは何故か…という。人間が小さくてスイマセン(/´△`\)
お互いの過去を乗り越えていく素敵な話ではあるので、キャラに好感が持てれば応援する気持ちで楽しめる。丁寧な心理描写と少しずつ近づいていく二人の関係性は良かったけど、LOVE要素は薄めなので若干の物足りなさが否めない(涙)
もっと早めにくっついて、いっぱいラブラブしながら二人でいろいろ乗り越えてくれても良かったのよ…( ・3・)
Posted by ブクログ
設定的には、それはあるの?と思っちゃうんですが、話を作っていく上ではとても「あり」
色も音もとてもきれいに見えてくるお話で、安心して読めるし、幸せになれます。
Posted by ブクログ
表紙買い。奈良千春絵師のカラフルなイラストに目を奪われてしまいました。そして、実際に読み進めると、表紙イラストが的確に内容を表現していることに気付きました。
R&Bグループで活躍するミュージシャン×お絵かき教室の先生。
ドラマーでボーカルも担当する慎吾は、色彩を判別することができないせいでずっとモノクロの世界で生きてきたのですが、ある日カラフルな色彩を伴った街頭ポスターと運命の出会いをして。
ミュージシャンという憧れの世界と、望めば晴れがましい立場に身を置くことができるはずの才能豊かな画家のひっそりとした日常世界。
慎吾も武も、その中で不安を抱え続けたまま生きています。
そんな閉塞感に満ちた状態だった二人が運命的な出会いをすることによって、希望ある未来へと歩を踏み出していく様を描いたストーリーです。
二人の関係がどうなっていくのか興味津々になりながらも、あまり深刻になりすぎず、ハッピーな気持ちを維持したまま読むことができます。
二人の背負っているものはけっこうシビアなんですけどね…
でも、希望が見えるこんなポジティブな展開ってすてきです。
すんなり受け入れられたのは、多分ファンタジーな味付けが充分に利いていたからでしょうね。こんな奇跡があればと、思わず信じたくなってしまうほどでした。
エロ的ラブ的には、あまり萌えどころはないのですが、二人の関係がどこまで感化し合い、発展していくのか?という点では期待させられ、かなり引き込まれました。慎吾がとても好感が持てる、かわいい攻なんです。あちこちでキュンとさせられます。武も押し倒されそうになると隠していた関西弁がw
二人にもう少し色気があると、もっとよかったかも。
ミュージシャン、画家、フォトグラファー、などなどアートに関わる人物がてんこ盛りで登場するので、アーティスト好きにはたまらないでしょうね。
★の数は、エロ的に。ストーリーからいえば4つで。