【感想・ネタバレ】幽霊ピアニスト事件のレビュー

あらすじ

青年ピアニスト、アルトゥアは気がつくと見知らぬカフェにいた。どうやら死んでから50年後の世界に蘇ったらしい。そしてひょんなことから音楽大学の学生ベックと知り合い、浮世離れした学生たちと共同生活をはじめることに。常に古風な舞踏会用ドレスを着ている少女や、ブルガリア人の双子の霊媒たちと過ごす新しい人生には、どうして不思議な事件ばかり起きるのか。無気味な“怪人”の出現、リサイタルの妨害、そして殺人。そもそもなぜ蘇ったのか? 謎を解明するためアルトゥアと音大生たちは走る走る! 再会の秘密をめぐる傑作ミステリ。

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Posted by ブクログ

突然、現代に甦ったピアニストの青年が出会う冒険。
戦争中の記憶と、音楽大学での事件が交錯します。

ポーランド生まれのアルトゥアはピアニストでした。
ある事情で死んだはずなのに、なぜか幽霊に?
とはいえ、食べることも喋ることも出来て、洋服に入っていたお金も通用する。
しかも、カフェで出会った青年ベックはアルトゥアの話をあっさり受け入れ、喜々として自分の住む寮に迎え入れてくれます。

そこは、学生合唱団のクラブハウスで、ハノーファー音楽大学の学生達が暮らしているのです。
変人揃いなのが傑作で、しかもこれはかなり作者の実体験が入っているそう。
アルトゥアは、幼馴染のピアニスト仲間パヴェルとも再会。
1940年代に共に行動した記憶が甦ります。

なぜ二人は甦ったのか‥?
そこに謎を解く鍵が。
戦争中の出来事は、およそ戦争も耐乏生活も向かなそうなピアニストをも否応なく巻き込んだのでした。
パトロンをつかまえて生きてきた二人だけど、軟弱なだけじゃなかったのだ。
そして、大学で起こる事件! 悪気のない友人たちに危機が迫る‥?!
怖さ、切なさ、突飛さ、ユーモア。
色々な味を楽しめます。

変わった名前だなと思っていたら、作者はペルシャ人とドイツ人を親に持つハーフ。
この作品はいぜん、「この世のはてまでよろしく」として翻訳発行されたもの。確かに前の題じゃ~内容わかりませんね。

0
2016年07月01日

Posted by ブクログ

芸術をする奴って、どこの国でもどんな時代でも、どこかズレた変人ばかり。もっとぶっ飛んだ話になるかと思っていたら、意外にも現在と50年前の話が交互に語られる、とても面白く、そして切ない物語でした。
「戦火のシンフォニー」思い出しちゃった。

0
2015年12月28日

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